前衛の女王「草間彌生」とは?代表作やその魅力、見れる場所を紹介 | Artis

前衛の女王「草間彌生」とは?代表作やその魅力、見れる場所を紹介

草間彌生
特別展「草間彌生 ALL ABOUT MY LOVE 私の愛のすべて」長野・松本市美術館で https://www.fashion-press.net/news/36516(fashion press 画像参照)

ユニークな見た目からアート初心者でも知っている方が多い「草間彌生」。

彼女は見た目だけのインパクトだけでなく現代アーティストとしても世界から注目されているのです。

当記事では謎の多い草間彌生について作品の特色や代表作を解説していきます。

ぜひご参考ください。

1.草間彌生について

草間彌生

特別展「草間彌生 ALL ABOUT MY LOVE 私の愛のすべて」長野・松本市美術館で
https://www.fashion-press.net/news/36516

草間彌生とは1929年に長野県で生まれた日本人画家で、「前衛の女王」という異名を持ち、不機嫌な少女で有名な「奈良美智」や一見卑猥な16億円フィギュアで話題を呼ぶ「村上隆」とともに日本の現代アートをけん引する存在です。

彼女の作品は国内のみならず海外でも美術館・個展を通して展示されています。

1-1.草間彌生の何がすごいのか

草間彌生は統合失調症を患い幼少の頃から幻覚や幻聴に悩まされてきました。

また両親からの虐待も相まって自殺の憧れを抱く過酷な環境で育ったのです。

そんな中で彼女にとって作品を創ることだけが生きる意味を与えてくれる存在でした。

不安や恐怖といった負の感情をこの世界を生きる武器、すなわち作品として昇華させ、各作品は強く生きるためのエネルギーを私たちに与えてくれるのが特徴です。

次項で詳しく解説しますが、草間彌生の代表的なモチーフである水玉は幻覚から身を守るために描いたのが始まりです。

2.草間彌生の作品について

「水玉模様」や「かぼちゃ」などユニークなものをモチーフにする草間彌生。

一体彼女がこのモチーフを選ぶ理由とは一体何なのでしょうか?

草間彌生の作品を紹介する前に気になる理由を解説します。

  • 水玉模様が多い理由
  • かぼちゃのモチーフが多い理由

次項で詳しく解説します。

2-1.水玉模様が多い理由

草間彌生が水玉を描き始めた理由は彼女の幼少期の体験に基づきます。

統合失調症を患った草間彌生は幼少期に視界が水玉模様で埋めつくされる幻覚に悩まされていました。

彼女はその恐怖と戦い、象徴である水玉模様を紙一杯に描き自らの身を守っていたようですね。

このような経験から草間彌生は水玉模様を多くの作品のモチーフにしているのです。

2-2.かぼちゃのモチーフが多い理由

草間彌生がかぼちゃのモチーフを多用するのはかぼちゃに同じ形ものが決して無く、

そのどっしりとした愛嬌のあるフォルムが草間自身が自らを投影するのに適していたからと言われています。

3.草間彌生の作品5選

そんな草間彌生はどのような作品を創っているのでしょうか?

草間彌生の作品をいくつか紹介します。

  • 黄かぼちゃ
  • Starry Pumpkin
  • PUMPKIN 2015
  • 大いなる巨大な南瓜
  • 七色の富士

3-1.黄かぼちゃ

草間彌生の作品 黄かぼちゃ

出典:Art Review
https://artreview.com/watch-yayoi-kusama-yellow-pumpkin-on-naoshima-washed-away-by-typhoon/

草間彌生の作品と言われて想像する方が多い代表作「黄かぼちゃ」。

「黄かぼちゃ」は草間彌生がはじめて屋外彫刻にしたかぼちゃの彫刻です。

黄かぼちゃの価値や台風による影響についてはこちらをご参考ください。

草間彌生『かぼちゃ』の魅力を解説!どこで見れるかも紹介

3-2.Starry Pumpkin

草間彌生の作品 Starry Pumpkin

出典:草間彌生美術館公式サイト
https://yayoikusamamuseum.jp/exhibition/past/2017second/

「黄かぼちゃ」は黄色と黒のはっきりとした色の迫力ある作品でしたが、「Starry Pumpkin」は淡い黄色とピンク色の組み合わせで、見ているとホッとする色合いです。

同じかぼちゃモチーフでも、色が違うだけで作品の雰囲気も変わりますね。

3-3.PUMPKIN 2015

草間彌生の作品 PUMPKIN 2015

出典:Japan Forward
https://japan-forward.com/pumpkin-2015-c-yayoi-kusama/

「黄かぼちゃ」や「Starry Pumpkin」と違ってメタリックな作品です。

同じかぼちゃでも配色や素材が違うだけで、全く別のものに見えるのは面白いです。

3-4.大いなる巨大な南瓜

草間彌生の作品 大いなる巨大な南瓜

出典:読売新聞オンライン
https://www.yomiuri.co.jp/culture/20210804-OYT1T50408/

「黄かぼちゃ」ととても似ている作品ですが、展示されている場所が異なるため作品名が違うのではないかと考えられます。

3-5.七色の富士

草間彌生 富士山

出典:「アダチ版画 現在の浮世絵」
https://www.adachi-hanga.com/modern/kusama/

七色の富士は世界で唯一浮世絵木版画技術版画技術も持つアダチ製作所のコラボレーションによって生まれた作品です。

作品は全7色、各120部限定で販売されました。色ごとにそれぞれ詩がつけられています。

七色の富士についてはこちらで詳しく解説していますのでぜひご参考ください。

草間彌生『富士山』の種類や版画の値段を解説

4.草間彌生の作品の値段が8億円!?

草間彌生の作品の値段ですが、代表的な作品である直島の「黄かぼちゃ」は8億円もの価値があります。

「かぼちゃの彫刻」はさまざまな場所に設置され、現在では世界中に展示されています。

草間彌生 かぼちゃ

出典:https://www.flickr.com/photos/kimon/26726528766/

上記の写真は香川県直島町に展示されていたかぼちゃの彫刻で、「黄かぼちゃ」という名称が付けられています。

この「黄かぼちゃ」は草間彌生がはじめて屋外彫刻にしたかぼちゃの彫刻です。

2015年10月に香港で開かれたサザビーズのオークションで、8億円という高額な値段で落札されたのです。

なぜここまで草間彌生の作品が高額なのかはこちらの記事で解説していますので合わせてお読みください。

草間彌生の8億円の価値がある作品「かぼちゃの彫刻」ってどんな作品?

その他の代表作はこちらの記事で解説していますので、ぜひチェックしてみてくださいね!

草間彌生の代表作17選|「シルクスクリーン」だと購入も販売もしやすい?

5.草間彌生は高額作品だけじゃない!安価に購入できるグッズ3選

草間彌生の作品、特にオブジェは高額な作品が多く「手が出ない」と思っている方も多いでしょう。そんな方に朗報です。

作品をモチーフにした様々なグッズも販売されており、現代アートを手軽に生活の一部にできるのです。

この章では草間彌生のグッズを3つご紹介します。

  • 手ぬぐい
  • がま口財布
  • キーホルダー

5-1.手ぬぐい

手ぬぐい

出典:楽天市場
https://item.rakuten.co.jp/moncachette/621499001/

 

価格(税込)

3,780円

 

草間彌生の象徴である水玉模様が手ぬぐいに描かれていて、赤と白のコントラストがはっきりとして可愛らしいデザインですよね。

 

5-2.がま口財布

がま口財布

出典:MoMA Design Store
https://www.momastore.jp/shop/g/g0497608079123/

価格(税込)

9,680円

 

草間彌生の代表作の1つである「かぼちゃの彫刻」の形をした財布です。

かぼちゃの丸いフォルムが可愛らしく、持ち歩きたくなるデザインですよね。

また、こちらの財布が販売されているサイトは六本木に店舗があるのでぜひ、足を運んでみてくださいね。

5-3.キーホルダー

キーホルダー

出典:MoMA Design Store
https://www.momastore.jp/shop/g/g0497608072162/?utm_source=google&utm_medium=cpc&utm_campaign=ssc&gclid=EAIaIQobChMI_5blz82o-gIViTMqCh2NQg3mEAQYAiABEgINBvD_BwE

価格(税込)

3,080円

 

草間彌生の代表作である「かぼちゃの彫刻」がモチーフになっています。

ビビットな黄色と黒色が可愛らしく、カバンにつけたら華やかな見た目になりそうですよね。

その他のグッズや購入できる場所はこちらの記事で詳しく紹介していますので、ぜひ合わせてお読みください。

草間彌生グッズおすすめ11選!と販売場所を紹介

6.草間彌生の作品を購入するなら版画が現実的

一方で草間彌生のシルクスクリーンなどの版画は100万円から500万円前後で取引されています。

サイズ的にも値段的にも草間彌生の作品を所持したい方にはシルクスクリーンがおすすめです。

6-1.草間彌生の作品を購入する前にチェックすべき4つのポイント

草間彌生の作品を購入する前にチェックすべきポイントを4つご紹介します。

  • 曖昧な説明に注意
  • 作品の値段が安すぎる
  • テクスチャー(質感)が技法と異なっている
  • サインを確認する

各ポイントの詳細はこちらで解説していますので、ぜひご確認ください。

草間彌生の作品を購入する前にチェックすべき4つのポイント。

7.草間彌生の作品を購入する方法

草間彌生の作品を購入するおすすめの方法は以下の通りです。

【草間彌生の作品|おすすめ購入方法】

  • 画廊での購入
  • 百貨店(デパート)での購入
  • 個展・合同展での購入
  • インターネットでの購入

草間彌生の作品は購入することが可能です。

以上の購入方法のメリット・デメリットを表にしてみました。

お近くの画廊や百貨店やインターネットをぜひチェックしてみてくださいね。

 

購入方法

メリット

デメリット

画廊

・画廊のスタッフから作品の説明を受けられる

・今後人気になりそうなアーティストを見つけられる

・入店は無料

・入店のハードルが高い

・手軽に買える価格帯の作品が少ない

百貨店

・入店のハードルが低い

・百貨店のスタッフから作品の説明を受けられる

・手軽に買える価格帯の絵が少ない

個展・合同展

・アーティスト本人が主催している

・アーティスト本人が値付けしているため、価格帯はピンキリ。

・入場には予約やチケットの購入が必要な場所もある

インターネット

・販売価格がお手頃な作品もある

・購入する絵が贋作の可能性がある

 

ぜひ、表を参考にして草間彌生の作品の購入を検討してみてくださいね。

8.草間彌生の作品を見れる美術館9選

最後に草間彌生の作品を見れる場所を紹介します!

草間彌生の作品を鑑賞できる場所はどこにあるのか気になりますよね。

本章では草間彌生の作品を見れる場所を9つ紹介します。

  • 草間彌生美術館
  • 十和田市現代美術館
  • Hara Museum ARC
  • 越後妻有 大地の芸術祭の里
  • クレマチスの丘
  • 松本市美術館
  • 直島(Benesse House ミュージアム)
  • 福岡市美術館
  • 鹿児島県霧島アートの森

次項で各場所の魅力やアクセスをご紹介します!

8-1.草間彌生美術館

草間彌生の作品を見れる 草間彌生美術館

出典:『草間彌生美術館』
https://www.1101.com/hobonichi_culturen/recommend/exhibition/0095.html

東京都新宿区にある草間彌生美術館は、草間彌生の作品を専門に取り扱う美術館です。

期間ごとに異なる草間彌生の作品を鑑賞することができます。

名所

草間彌生美術館

住所

〒162-0851 東京都新宿区弁天町107

営業時間

11時から17時30分

[開館日]木・金・土・日曜日および国民の祝日

[休館日]月・火・水曜日

アクセス

 

8-2.十和田市現代美術館

草間彌生の作品を見れる 十和田市現代美術館

出典:十和田市現代美術館
https://towadaartcenter.com/

 

青森県十和田市にある十和田市現代美術館は現代アート専門の美術館です。

草間彌生の作品を見れる 十和田市現代美術館

出典:十和田市現代美術館
https://towadaartcenter.com/collection/#permanent-collection

草間彌生の代表作「愛はとしこえ」の十和田市現代美術館限定バージョンが展示されています。

名所

十和田市現代美術館

住所

〒034-0082

青森県十和田市西二番町10-9

営業時間

9時から17時

アクセス

 

8-3.Hara Museum ARC

草間彌生の作品を見れる Hara Museum ARC

出典:Hara Museum ARC
https://www.haramuseum.or.jp/jp/arc/about/

群馬県渋川市のHara Museum ARCでは、「ミラールーム(かぼちゃ)」をはじめとした草間彌生の作品が展示されています。

草間彌生の作品 ミラールーム(かぼちゃ)

出典:Hara Museum ARC
https://www.haramuseum.or.jp/jp/collection/

名所

Hara Museum ARC

住所

〒377-0027 群馬県渋川市金井 2855-1

営業時間

9時から16時半

休館日:木曜日(祝日・8月・2022年12月29日を除く)

1月1日

冬季(2022年1月11日から3月18日まで)

アクセス

 

8-4.越後妻有 大地の芸術祭の里

草間彌生の作品を見れる 越後妻有 大地の芸術祭の里

出典:越後妻有 大地の芸術祭公式サイト
https://www.echigo-tsumari.jp/

新潟県の十日町市と津南町からなる越後妻有で行われている「大地の芸術祭」では草間彌生の作品である「花咲ける妻有」を見ることができます。

草間彌生の作品 花咲ける妻有

出典:越後妻有 大地の感謝祭公式サイト
https://www.echigo-tsumari.jp/art/artwork/tsumari_in_bloom/

大地の芸術祭2022年は4月29日から11月13日まで実施される予定です。

期間限定のイベントなので、ぜひ新潟まで足を運んでみてくださいね。

名所

越後妻有 大地の芸術祭の里

住所(総合案内所)

〒942-1526 新潟県十日町市松代3743−1

営業時間

越後妻有 大地の感謝祭2022年公式サイト参照

https://www.echigo-tsumari.jp/contact/faq/

アクセス

 

8-5.クレマチスの丘

草間彌生の作品を見れる クレマチスの丘

クレマチスの丘 ヴァンジ彫刻庭園美術館
出典:クレマチスの丘公式サイト
https://www.clematis-no-oka.co.jp/

静岡県長泉町のクレマチスの丘の広場では草間彌生の作品「明日咲く花」を見ることができます。

草間彌生の作品 明日咲く花

出典:クレマチスの丘公式Facebook
https://ja-jp.facebook.com/clematis.no.oka/posts/1306798226023698/

 

名所

Clematis no Oka(クレマチスの丘)

住所

〒411-0931

静岡県長泉町東野クレマチスの丘347-1

営業時間

10時から17時

※施設ごとに営業時間が異なるため公式サイト参照

https://www.clematis-no-oka.co.jp/

アクセス

 

8-6.松本市美術館

草間彌生の作品を見れる 松本市美術館

出典:『松本市美術館』
https://walking-matsumoto.net/experience/matsumoto-art-museum

草間彌生の出身地の長野県松本市にある「松本市美術館」では数多くの草間彌生の作品を見ることができます。

松本市美術館の入り口には草間彌生の代表作「幻の華」が展示されています。

名所

松本市美術館

住所

〒390-0811

長野県松本市中央4-2-22松本市美術館1階

営業時間

9時から17時まで

アクセス

8-7.直島(Benesse House ミュージアム)

草間彌生の作品を見れる 直島

出典:『直島』
https://setouchi-artfest.jp/artworks-artists/artworks/naoshima/338.html 
瀬戸内国際芸術祭公式HP

香川県の直島では「赤かぼちゃ」をはじめとした数多くの草間彌生の作品を見ることができます。

「赤かぼちゃ」は直島行きのフェリーから降りたらすぐに見ることができます。

また、直島の「ベネッセハウスミュージアム」という現代アートに特化した美術館でも草間彌生の作品を見ることが可能です。

草間彌生の直島の桟橋に展示されているかぼちゃは2021年8月に起きた台風9号の影響により破損し流され海岸や突堤に打ちつけられたことによって鑑賞できませんでしたが、2022年10月4日から復活を遂げ再展示されています。

名所

Benesse House ミュージアム

(ベネッセハウスミュージアム)

住所

〒761-3110 香川県香川郡直島町琴弾地

営業時間

8時から21時まで

アクセス

 

8-8.福岡市美術館

草間彌生の作品を見れる 福岡市美術館

出典:福岡市美術館公式サイト
https://www.fukuoka-art-museum.jp/

福岡県にある福岡市美術館では草間彌生の代表作「南瓜」を見ることができます。

草間彌生の作品 南瓜

出典:福岡市美術館公式サイト
https://www.fukuoka-art-museum.jp/collection_highlight/2656/

屋外作品「南瓜」は福岡市中央区天神の銀行前に展示されています。

黄色と黒の鮮やかな色合いが目立ち通行人の人目を引くため、福岡市では有名な作品です。

 

名所

福岡市美術館

住所

〒810-0051 福岡市中央区大濠公園1-6

営業時間

[開館時間]

午前9時30分~午後5時30分

7~10月の金・土曜日は午後8時まで開館

(入館は閉館の30分前まで)

[休館日]

月曜日/12月28日~1月4日

(月曜日が祝日・振替休日の場合は、その後の最初の平日)

アクセス

 

8-9.鹿児島県霧島アートの森

草間彌生の作品を見れる 鹿児島県霧島アートの森

出典:鹿児島県公式サイト
http://www.pref.kagoshima.jp/shisetsu/kyouiku/004.html

鹿児島県の霧島アートの森では「赤い靴」をはじめとした草間彌生の作品を数多く見ることができます。

草間彌生の作品 赤い靴

出典:霧島アートの森
https://open-air-museum.org/inside_art_works/inside_art_works-690

名所

霧島アートの森

住所

〒899-6201 鹿児島県姶良郡湧水町木場 6340 番地 220

営業時間

[開館時間]

9時から17時

7月20日から8月31日までの土・日・祝は19:00まで(入館は18:30まで)

[休館日]

毎週月曜日(休日の場合は翌日)

年末年始(12/29~1/2)

メンテナンス(2/13~20)

アクセス

9.まとめ

以上、草間彌生について解説しました。

草間彌生は見た目だけのインパクトだけでなく世界から注目されている現代アーティストです。

当記事が御覧になられた方のアート知識が満たされるきっかけになれば幸いです。

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