アレックスグレイは、サイケデリックな世界観で印象的な絵画を描くアーティストです。
彼の作品に出会い感銘を受けたという方は多いでしょう。
今回は、アレックスグレイの概要について解説するとともに、作品の特徴や入手方法も紹介します。
1.アレックスグレイとは
アレックスグレイは、1953年にアメリカのオハイオ州で生まれたアーティストです。
絵画に限らず、彫刻やインスタレーション、パフォーマンスに至るまで様々な表現方法で彼のテーマである「死」や「輪廻転生」を形にしています。
父親がグラフィックデザイナーだったため、アレックスグレイ自身も幼い頃からアートに触れてきました。
また、幼少期のアレックスグレイは、昆虫採集を夢中になって行なっていたほか、動物や虫の死骸を集めては庭に埋め、掘り起こして観察するといった趣味を持っていました。
このことから、現在の彼が持つ感性は幼少期から芽生えていたことがわかるでしょう。
1971年、18才になったアレックスグレイは、アメリカにあるコロンバス芸術大学に通い始めます。
コロンバス芸術大学といえば、全米で最も古くそして最大とされるビジュアル系専門大学です。
しかし、アレックスグレイは1973年に退学し、オハイオ州の塗装看板業に務めるようになります。
同じ頃、ボストン美術学校に通学し、妻であるアリソンと出会いました。
アレックスグレイとアリソンは、神秘主義やヒッピーカルチャーに惹かれ、ともにLSD(幻覚剤)を常用し始めます。
こうした背景もあり、彼の代名詞ともいえるサイケデリックな作風が生まれました。
さらに、ハーバード医学大学に5年間通学し、解剖実習も経験しています。
現在もなお、画家として宇宙愛のエネルギーと神秘学的解剖図を組み合わせた作品の制作を手がけており、多くの人を魅了し続けています。
2.アレックスグレイの作品の特徴
アレックスグレイといえば、人並み外れた感性の持ち主という印象を持つ方が多いでしょう。
彼が持つ高い感受性は、作品にも大いに現れています。
続いては、アレックスグレイの作品の特徴について紐解いていきましょう。
2-1.サイケデリックアート
アレックスグレイの持ち味といえば、なんといってもサイケデリックな表現でしょう。
12才からLSDに興味を持っていたという彼は、妻アリソンと出会って以降LSDや向精神薬の大量摂取を行い、度々トリップ状態に陥っていました。
もともと精神の拡張に注目し、若干17才で同テーマで描いたイラストのコンペで優勝していたこともあり、ますますその感性は深みを帯びていきます。
その結果、彼の見た幻覚を表現するかのように、視覚的にも強烈な印象をもたらす作品を生み出しています。
2-2.「死」をテーマにした作品
アレックスグレイの作品は「精神の拡張」だけでなく、「死」もテーマに掲げています。
幼少期に動物や虫の死骸と向き合ってきた彼は、あらゆる存在には霊的な核があると考えており、作品にも生死を超越した表現が多々見受けられます。
実際、幼少期の作品には、彼自身が集めた動物や昆虫の死骸が描かれていました。
また、ハーバード大学医学部において、解剖学博物館の展示物を制作するサポートをしていたこともあり、解剖に関する深い知識も「死」をテーマにした作品に影響しているでしょう。
人間と宇宙、精神世界とのつながりを表現するために、実に緻密な構成を組み立てており、イラストを描く技法も熟練されたものです。
まさしく、アレックスグレイだからこそ表現できる世界観といえます。
2-3.アメリカのバンド「TOOL(トゥール)」との関係
アレックスグレイの世界観は、1990年に結成されたアメリカのバンド「TOOL(トゥール)」にも影響を与えています。
TOOLは2019年に14年ぶりのアルバムをリリースしました。
そして、このタイミングで同アルバムをイメージしたオフィシャルTシャツを販売しています。
フロントには、TOOLのロゴが描かれており、バックにはアレックスグレイのアートワークが採用されているデザインです。
アレックスグレイは、TOOLのツアーにも登場しており、いかにTOOLのメンバーが彼の作品に陶酔しているかがわかるでしょう。
3.アレックスグレイの作品の入手方法
アレックスグレイの作品は、ポスターや画集、ポストカードなどで楽しむことができます。
例えば、アレックスグレイの代表作である「KISSING」もポスター化されている作品のひとつです。
その他、アレックスグレイの画集「聖なる鏡―アレックス・グレイの幻視的芸術(ヴィジョナリー・アート)」も人気があります。こちらの画集は、彼の作品と合わせて、トランスパーソナル心理学者ケン・ウィルバーと芸術批評家カロル・マコーミックによるエッセイもまとめられており、より一層アレックスグレイの世界観を堪能できるでしょう。
こうした作品は、各書店やアート作品を取り扱うショップでも入手できます。
4.まとめ
今回は、サイケデリックアートの神とも呼ばれているアレックスグレイについて解説しました。
彼の刺激的な人生が生み出した繊細かつ大胆な作品たちは、アートファンのみならず様々な世代に浸透しています。
また、現在も現役のアーティストであり、今後の作品展開も期待されるでしょう。
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