ミュシャの絵画はなぜ人気?特徴や代表作を解説! | Artis

ミュシャの絵画はなぜ人気?特徴や代表作を解説!

ミュシャの絵画はなぜ人気?特徴や代表作を解説!

ミュシャは、現代のデザインにも通ずる大胆な構図や美しさで人気を誇る画家です。

没後80年以上が経つ今でも、多くのファンの心を魅了しています。

今回は、ミュシャの絵画の特徴や代表作、作品が見られる美術館を紹介します。

1.ミュシャとは

ミュシャは、1860年にチェコで生まれ主にフランスで活躍した画家・デザイナーです。

当時、フランス・パリでは植物をモチーフに、曲線や幾何学的な模様を使った装飾性の高さが特徴のアール・ヌーヴォーが流行していました。

アール・ヌーヴォーを代表する作家の一人がミュシャです。

幼少期は聖歌隊に所属しており、音楽家を志していたミュシャですが、15歳頃になると思うように声が出なくなり、その夢を諦めました。

その後、デッサンの学校に通い始めたことが、画家を目指すきっかけです。

とはいえ、聖歌隊に所属していた当時から、絵を描くことに興味を持っており、自然な流れといっても過言ではありません。

デッサンの学校を卒業したのち、パリを拠点に活動していたミュシャに、舞台女優であるサラ・ベルナールのポスター制作の依頼が入ります。

この作品は一躍有名になり、パリで広く知られる人気作家となりました。

1939年にチェコで亡くなりますが、現在でも多くのファンを魅了する絵画を残しています。

2.ミュシャの絵画の特徴

ミュシャは、アール・ヌーヴォーを代表する画家ということもあり、植物を描いたデザイン的な装飾が特徴的です。

曲線を使った装飾もアール・ヌーヴォーの特徴であり、ミュシャの絵画にも大いに描かれています。

ミュシャが描く曲線は、非常に美しく「線の魔術師」と言われることもありました。

また、ミュシャが活躍した時代のフランスでは、「ジャポニズム」として日本文化が流行しており、ミュシャの絵画にも浮世絵の美人画に通ずる作品があります。

ミュシャの絵画は、広告用ポスターやデザインがメインとなっており、19世紀以降に普及した版画の技法「リトグラフ」で表現されています。

3.ミュシャの絵画の代表作4点

ミュシャは数々の名作を残しています。

その中でも有名な4点を紹介します。

3-1.ジスモンダ

ジスモンダ

出典:プラハ・ミュシャ美術館
https://www.mucha.cz/jp/exibition-jp

ミュシャが、一躍有名となった作品が、サラ・ベルナールが主演する舞台「ジスモンダ」のポスターです。

サラ・ベルナールとは独占契約を結んでおり、ポスターのデザインだけでなく、舞台装置や衣装なども担当しています。

等身大に近い大きな細長いポスターは非常に目立ち、パリ市民の人気を集めました。

3-2.ソディアック(黄道十二宮)

ソディアック(黄道十二宮)

出典:プラハ・ミュシャ美術館
https://www.mucha.cz/jp/exibition-jp

ソディアック(黄道十二宮)は、1896年の作品です。

印刷業者のシャンプノワから依頼を受け、カレンダーとしてデザインされました。

横向きの女性が中央に描かれ、周囲には西洋占星術の12星座が表現されています。

線の魔術師と言わしめるミュシャならではと言える美しい装飾は、当時から非常に人気が高く、ミュシャの代表作です。

高評価を得たこの作品は、雑誌「ラ・プリュム」の編集長の目に留まりました。

その後、版権が購入され、雑誌のカレンダーなど多様な形で再利用されています。

3-3.ジョブ

ジョブ

出典:Artpedia
https://www.artpedia.asia/job/

 

JOBは、煙草の巻紙を宣伝するために作られた作品です。

長い髪が印象的な女性が、煙草を燻らせている様子が表現されています。

女性の背景には、商品名である「JOB」の文字が描かれており、女性で見え隠れする文字にもミュシャのデザイン性の高さがうかがえるでしょう。

この作品は、当時のパリ市民の完成を揺さぶり、広告用のみならず販売用としても印刷されました。

3-4.スラヴ叙事詩

スラヴ叙事詩

出典:チェコ政府観光局
https://www.visitczechrepublic.com/ja-JP/b6faba5a-38f9-4f82-8289-a5a6ae310c74/event/e-moravsky-krumlov-epic-slavic

スラヴ叙事詩は、1910〜1928年の18年間という長い期間をかけて描いたミュシャ晩年の大作です。

チェコで生まれたミュシャのルーツともいえるスラヴ民族に伝わる神話をモチーフにして描かれました。

残りの人生を祖国チェコに捧げたいという彼の思いが表現された作品であり、20枚に渡る連作です。

こちらの作品はリトグラフではなく、卵を溶剤に使ったテンペラをメインにしており、一部油彩も使用されています。

ミュシャは、この作品を展示する場所を用意することを条件として、プラハ市に寄贈しました。

4.ミュシャの絵画を鑑賞できる美術館

ミュシャの絵画を実際に見てみたいという方は多いでしょう。

続いては、ミュシャの絵画を鑑賞できる美術館を2つ紹介します。

4-1.プラハ・ミュシャ美術館

プラハ・ミュシャ美術館は、ミュシャの故郷チェコにあります。

1988年2月13日の開館以来、ミュシャの人生と作品を紹介する世界唯一の美術館として多くの人に愛されています。

また、館内にはミュシャの作品をモチーフとしたグッズを取り揃えたミュージアムショップが併設されている点も魅力です。

ポストカードやポスターなども販売されているので、身近にミュシャの作品を感じられる美術館といえるでしょう。

ミュシャが有名になるきっかけとなった「ジスモンダ」も同美術館に展示されています。

比較的こじんまりとしたスペースなので、日本から訪れた方でも隅々まで鑑賞することが可能です。

4-2.堺アルフォンス・ミュシャ館

日本でも、ミュシャの絵画を鑑賞できる美術館があります。

それが、堺市に位置する「堺アルフォンス・ミュシャ館」です。

株式会社ドイの創業者、土居君雄氏のコレクションとして集められたミュシャの作品が500点近く展示されています。

土井氏亡き後、ゆかりの地である堺市に寄贈され、同美術館が設立されました。

絵画やデザインに加えて、彫刻の展示もあり、ミュシャの類稀なる才能を存分に感じられる美術館です。

季節によってテーマを変えた企画展をしているので、ミュシャの新たな一面を知りたいという方にも向いています。

また、ミュシャの作品をモチーフにしたグッズの販売やデジタルコンテンツの提供も行なっている点も魅力です。

チェコまで出向くのは難しいという方でも、気軽にミュシャの魅力を体験できる場所といえるでしょう。

5.まとめ

今回は、ミュシャの絵画について詳しく解説しました。

「線の魔術師」とも呼ばれるミュシャの絵画は、現代人からみてもセンスが高く惹かれる作品ばかりです。

当時も、アール・ヌーヴォーを代表する作家としてフランス・パリにて爆発的な人気を誇っていましたが、今でもミュシャの作品に魅了される人はあとを絶ちません。

おしゃれなミュシャの作品を自宅に飾りたいという方も多いのではないでしょうか。

ミュシャの絵画は、商業用に作られたリトグラフも多く、一般的な絵画よりも多く出回っているため比較的手に入りやすいアートといえるでしょう。

また、ミュシャの作品をモチーフにしたグッズも多岐に渡り、自宅に飾りたいという方にもおすすめです。

 

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