UNIQLO(ユニクロ)とのコラボで一度見たことある人も多い「キースへリング」の作品。
一体、キースへリングとはどのような現代アーティストなのか、死因はなんなのか、彼の作品によく登場するモチーフ「犬」など彼にまつわる気になる謎を紹介していきます。
ぜひご参考ください。
1.キースへリングについて
出典:「DAZED」The story of Keith Haring, as told through his iconic art work | Dazed (dazeddigital.com)
キースへリングはアンディ・ウォーホルやバスキアなどと同じく1980年代のアメリカのニューヨークで活躍したポップアーティストです。
名門の美術学校「スクールオブビジュアルアーツ」に入学したキースへリングは様々な手法で表現を試みます。
80年代のニューヨークにインスピレーションを受け、通学路であったニューヨークの地下鉄の掲示板に大胆にも絵を書き始めました。
出典「GAYLETTER」https://gayletter.com/keith-haring-31-subway-drawings/
このチョークでのドローイング『サブウェイ・ドローイング』は日を追うごとに多くなりやがてニューヨークの人々へキースへリングの名前が広がるきっかけになりました。
もちろん落書きは犯罪なのでキースヘリングは20回以上逮捕されています。
現在だとアートテロと呼ばれる覆面アーティスト「バンクシー」が有名ですが、キースヘリングが先駆けなんですね！
その後もキースへリングは美術館やギャラリー以外のクラブやシアターで展示を行ったり他のアーティストとの交流関係を築いたりし、オープンかつポップアーティストとして活躍していきました。
キースへリングが参加した個展やグループ展は100を超えると言われているようです。
それに伴い絵画や彫刻だけでなく衣装デザインやレコードジェットなど表現の幅を広げアートは大衆のものというメッセージと社会へのバッシングをもって制作しました。
キースへリングの見た目だけで意図が伝わりやすい作風ゆえ、「視覚言語」のようだと評価されています。
1-1.キースヘリングの死因はエイズ
偉大なポップアーティストであるキースへリングは今は亡き人で、1990年にエイズにかかり31歳で生涯を終えています。
エイズ(HIV)は1990年代半ばまで有効な治療法がなく、その時代は「かかったら死に至る病気」として恐れられていました。
当時、エイズがパンデミックを起こすとして恐れられてていた他、1980年代のアメリカでは感染者に男性の同性愛者(ゲイ)が多いことから同性愛者へのヘイトと差別につながりましまた。
キースヘリング自身もゲイであり、彼の遺産を管理するキースへリング財団はLGBTやエイズ患者に対する支援をしています。
2.キースへリングの作品について
出典「artsy」Keith Haring | Untitled (1982) | Artsy
キースへリングはストリートアーティストの影響を受けた一方でパブリック・アートとしての側面も持ち合わせています。
それゆえ社会的な立場や人種、思想の違う人々が自由に鑑賞できるアートに価値を見出し、誰もがわかるキャラクター(人々、犬、天使、悪魔、赤ちゃん、ハート)に彼の思いを込めて象徴的に扱っています。
ではキースへリングの作品の中でもよく出てくる「犬」に一体どのような意味があるのか解説していきます。
2-1.キースへリングの犬の意味は？
出典「GUY HEPNER」https://www.guyhepner.com/dogs-by-keith-haring/
歌ったり吠えたり噛みついたりじっとしていたり様々な形で登場する「犬」。
キースへリング自身、キャラクターそのものに込めたメッセージに言及はしておらず、特定の意味は定められていないようですね。
一般的には以下のような意味が込められているのでは？と言われています。
- 懐疑心（相手の行動をうたがい、素直に受け取らない気持ち）
- 権力の象徴
- その当時のアメリカ政府
- 発展したり・成長するさま・行動のパワー
一見カワイイ犬をモチーフにした作品ですが、実はダークな意味が込められているのかもしれませんね。
もっとキースへリングの犬について知りたい方はこちらの記事をご参考ください。
3.キースへリングの代表作品3選
そんなキースへリングですが生前どのような作品を残したのでしょうか？
キースへリングを象徴する代表的な作品を3つご紹介します！
- dog with UFOs
- キース・へリング＆バリー・マッギーの壁画
- ベルリンの壁のペインティング
3-1.dog with UFOs
出典「Touch of Modern」Untitled // Dogs With UFOs // 1982 – Keith Haring – Touch of Modern
1982年、当時26歳のころに制作されたこの作品は40部限定で刷られたリトグラフです。
吠える犬とUFOが描かれており、この作品において犬は「要求する抑圧的な政府」を表し、UFOは未知の存在や他者性を表しています。
UFOによって攻撃を受けているようにも、犬が触発されて吠えているようにも見えますね。
3-2.キース・へリング＆バリー・マッギーの壁画
タイムアウト東京
https://www.timeout.jp/tokyo/ja/%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%88/%E3%82%AD%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%98%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0%EF%BC%8F%E3%83%90%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%83%E3%82%AE%E3%83%BC%E3%81%AE%E5%A3%81%E7%94%BB
1983年に東京のワタリウム美術館で日本国内初の個展を開催したキースへリングは向かいのビルを自分のアトリエとして使用し、壁一面をペインティングしました。
残念ながら壁画を書いたビルは老朽化で壊されたため現在、壁画の修復作業が現在行われています。
3-3.ベルリンの壁のペインティング
Quora
https://jp.quora.com/%E3%82%AD%E3%83%BC%E3%82%B9-%E3%83%98%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%81%8C%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%81%AE%E5%A3%81%E3%81%AB%E6%8F%8F%E3%81%84%E3%81%9F%E5%8B%87%E6%B0%97%E3%81%82%E3%82%8B%E5%A3%81
1986年10月、ドイツの中央区に位置する冷戦時代を記念する博物館の依頼のもと、キースへリングは東西を分断しているドイツの検閲所の壁にドローウィングしました。
約300mの長さの壁に美術館の役員と共に6日間もかけて背景を黄色で塗りました。
赤と黒の人物はドイツの国旗や統一を象徴するものとされています。
4.作品だけじゃない！キースへリングとユニクロとのコラボ
以上、キースへリングについて作品に出てくるキャラクターの意味を紹介しました。
キースへリングは美術だけでなく音楽やファッションなどのカルチャーの中でも盛んに活動しました。
アートを民主化したいという彼の思いを汲み取り、日本でもユニクロのコラボが実現されたのです。
中にはキースへリングのことを「ユニクロの人！」と思っている方がいるほど、ユニクロの中では鉄板コラボになっています。
出典：https://www.uniqlo.com/jp/ja/products/E446069-000/00?colorDisplayCode=09&sizeDisplayCode=004
キースへリングとユニクロのコラボについてもっと知りたい方はこちらの記事をご参考ください。
5.キースへリングの作品を日本で見るなら「中村キースヘリング美術館」に行こう！
以上、キースヘリングについてや彼のモチーフの意味などを紹介しました。
当記事を御覧になられている方の中には「作品を生で見てみたい！」と思った方もいらっしゃるでしょう。
そんな方におすすめなのが山梨県にある「中村キースヘリング美術館」です。
中村キースヘリング美術館とは2007年に設立され、八ヶ岳の美しい自然の中で静かにキースヘリングと向き合い、ニューヨークが育んだ彼の作品とそのエネルギーを体験できる美術館です。
- 所在地：〒408-0044 山梨県北杜市小淵沢町１０２４９−７
- 電話番号：0551-36-8712
- 開館時間：9:00~17:00
- 料金：1,500円(一般)・600円(障がい者)・600円(16歳以上の学生)・無料(小人)・1500円(団体・20名以上)
美術館までのマップも添付します。
6.まとめ
以上、キースへリングについて解説しました。
キースへリングとは80年代アメリカのニューヨークで活躍したポップアーティストです。
社会的な立場や人種、思想の違う人々が自由に鑑賞できるアートに価値を見出し、誰もがわかるキャラクター(人々、犬、天使、悪魔、赤ちゃん、ハート)に彼の思いを込めて象徴的に扱っています。
当記事ではキースへリングの代表作についても解説していますので、ぜひご参考ください。
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