世界2大オークションとして、「サザビーズ」と肩を並べるオークションハウス「クリスティーズ」。
今回は、クリスティーズの歴史や特徴を解説するとともに、日本からの参加方法などを詳しく解説します。
1.クリスティーズというオークションハウスについて押さえるべき特徴
クリスティーズオークションの特徴としてあげられるのは以下の3つです。
それぞれの特徴について詳しく解説します。
1-1クリスティーズのオークションハウスとしての歴史
クリスティーズオークションは、1766年にイギリスの首都ロンドンで美術商のジェームス・クリスティー氏によって設立されました。
彼は人を惹きつけるような魅力的な性格で、多くのアーティストや職人、美術品のコレクターなどとも深い繋がりを持っていたといいます。
こうした人脈に加えてアートに関する知識も豊富だったことから、クリスティーズオークションは創業してすぐに軌道に乗りました。
その後、戦争や時代の変化を乗り越え、3世紀に渡り貴重な美術品を守り抜いてきたクリスティーズは、今やサザビーズと同じく世界の2大オークションハウスといわれています。
1-2.オークションレコードTOP3は全てクリスティーズから
2022年3月現在、世界のオークション落札価格のレコードTOP3は全てクリスティーズオークションに出品された作品です。
特に、現在2位のデイヴィッド・ホックニー作「Portrait of an Artist (Pool With Two Figures)」は、3位のジェフ・クーンズ作「Balloon Dog (Orange)」の落札価格約59億円を大きく引き離し、約103億円で落札されています。
ちなみに1位は、ジェフ・クーンズ作「Rabbit」という作品で、落札額は約103.8億円と僅差です。
これだけの接戦がクリスティーズ内で繰り広げられている点からも、クリスティーズに出品される作品の凄さを物語っているでしょう。
1-3.NFTアートマーケットに参入
クリスティーズオークションの特徴として見逃せない点が、サザビーズに先駆けてNFTアートマーケットに参入したことです。
2021年3月にはデジタルアーティストのBeepleによる作品「EVERYDAYS:THE FIRST 5,000 DAYS」」が出品されました。
大手オークションハウスがNFT作品を取り扱ったケースは初めてであり、さらに約75億円というデジタルアートにおける最高額で落札された点も注目を集めた要因です。
また、2022年9月28日にはNFTに特化したプラットフォーム「クリスティーズ3.0」を立ち上げており、今後の展開がますます期待されます。
2.レオナルド・ダ・ヴィンチ『サルバトール・ムンディ』が出品
誰もが知る著名な画家レオナルド・ダ・ヴィンチの作品「サルバトール・ムンディ」が出品されたことは、クリスティーズオークションにおける大きな出来事のひとつといえるでしょう。
「サルバトール・ムンディ」はイエス・キリストを描いた肖像画で、「男性版モナリザ」ともいわれています。
1500年代に制作されたのちイギリス王室が所有していましたが、その後行方不明になり、1900年に発見されました。
2005年には鑑定士により最新テクノロジーを使った調査が行われ、晴れて真作であることが証明されたという歴史のある作品でもあります。
さらに、現存するレオナルド・ダ・ヴィンチの作品のうち、唯一の個人所有であった点も注目された所以です。
2017年11月に開かれたオークションで登場した「サルバドール・ムンディ」は、4億5031万2500ドル(約508億円)の高値がつきました。
これは、一般市場に流通する美術作品におけるオークション史上最高値です。
3.クリスティーズって日本からも参加できるの?
クリスティーズオークションといえば、高値で取引される作品が多いことから、世界の富裕層だけが参加しているというイメージを持つ方もいるでしょう。
しかし、クリスティーズのオークションはライブ中継されるうえに、日本語のサイトも完備されているので、日本からでも参加できます。
ただし、入札を目的としてクリスティーズに参加するためにはアカウント作成が必要です。
本人確認のための書類とクレジットカード情報を用意して、公式サイトから手続きを行いましょう。
出品の場合は、出品作品の資料を用意すると専門家による査定を無料で受けられます。
3-1.クリスティーズのオークション手数料
クリスティーズで落札した場合は、落札価格に加えて手数料や税金がかかるため留意しておきましょう。
具体的な手数料と税金は以下のとおりです。
- クリスティーズへの手数料:15〜29%(1000万円以下19.75%)
- 地方税・関税・付加価値税:8〜15%
100万円で落札したとしても、数十万円の手数料がかかる計算となります。
落札価格だけに気を取られないよう、手数料や税金についてしっかり把握したうえで入札することが大切です。
4.まとめ
今回は、クリスティーズオークションについて詳しく解説しました。
世界2大オークションのひとつであるクリスティーズは、歴史も深く現在でも多くの作品が取引されています。
超一流といわれる作品も多数出品されているため、見るだけでも価値のあるオークションといえるでしょう。
日本からでも参加できるので、アートに興味のある方はぜひ参加してみてはいかがでしょうか。