杉本博司ギャラリー時の回廊施設紹介 | Artis

杉本博司ギャラリー時の回廊施設紹介

杉本博司ギャラリー 時の回廊
杉本博司ギャラリー 時の回廊 ラウンジ風景、2022年 撮影:森山雅智

美術家、杉本博司の名前が冠された、「杉本博司ギャラリー時の回廊」。

本記事では、2022年にオープンしたこの施設についての基本的な情報や、見どころについて、豊富な写真とともに紹介しています。

直島に位置するこの施設について、情報がなく不安に思っている方や、行くことを想定しているけれどポイントを抑えて満喫したい方は要チェックです!

1.杉本博司ギャラリー『時の回廊』について

1-1.杉本博司の直島作品と、ギャラリー設立の経緯

杉本博司

参考画像:HIROSHI SUGIMOTO, THE MASTER OF TIME | TIME IN ART

写真作品から建築、舞台装置まで幅広い作品を手掛ける現代美術家、杉本博司。

日本国内、海外でも著名なアーティストの1人ですが、杉本が日本で活動する中で縁の深い場所の一つが香川県・直島です。

1980年代から活動するベネッセアートサイト直島の活動に、写真家として参加したことが直島とのつながりの始まりで、その10年後《家プロジェクト》において《護王神社》を制作、町内の神社をアートとして再建しました。

さらにその15年後、アート的な建築の集大成であり、杉本が自身の”遺作”として位置づける 《江之浦測候所》を小田原に創設。

このような長年の取り組みの集大成として、創作活動のひとつの原点とも言える直島と江之浦を繋げる形で構想されたのが、この「時の回廊」なのですね。

《江之浦測候所》が建築と作庭などが中心となっているのに対し、このギャラリーは、杉本博司の代表的な写真作品やデザイン、彫刻作品などを継続的かつ本格的に鑑賞できる世界的にも他に例をみない展示施設です。

1-2.基本情報

 

公式サイト:杉本博司ギャラリー 時の回廊 | アート・建築をみる | ベネッセアートサイト直島 (benesse-artsite.jp)

  • 開館時間:11:00-15:00(最終入館14:00)
  • 休館日:年中無休 開館カレンダー(開館カレンダー | ベネッセアートサイト直島 (benesse-artsite.jp))をご参照ください。
  • 鑑賞料金:1,500円 *呈茶(お茶とお菓子)付き。
  • ※15歳以下の方とベネッセハウスに宿泊の方は鑑賞無料。その場合お茶は別料金。
  • 所要時間(滞在時間):1時間〜2時間ほどあればゆったりと観て回ることができます。
  • アクセス:香川県香川郡直島町琴弾地(ベネッセハウス パーク内)
  • 直島は高松港からはフェリーで約50分、宮浦港に向かい、宮浦港からは約3.6キロほど。車で10分、徒歩では40分ほどかかるようなので、車やタクシーの利用を視野に入れた方がよさそうです。
  • 駐車場:公式駐車場はありません。ギャラリーから歩いて10分弱の所に、直島町営駐車場があります。
  • 電話番号:087-892-3223(ベネッセハウス)

2.杉本博司ギャラリー『時の回廊』の注目ポイント5点

「時の回廊」とは、建築空間や自然環境を回遊し体感することを促す安藤建築の特徴や、杉本博司が追求し続ける時間に対する問い、そして彼らの長年にわたる直島との関係性などを反映し、鑑賞者に自然の変化や壮大な時間の流れを体感、歴史や生きることについて思索を巡らせてもらうことを意図するものです。(公式サイトより引用)

杉本博司の作品の魅力が味わえる場所となっているのですね。

では、さっそくこの「時の回廊」の見どころについて、見ていきましょう。

参照元:https://omochi-art.com/wp/sugimoto-gallery/#i-4

2-1.ガラスの茶室「聞鳥庵」

ガラスの茶室

参照元:https://omochi-art.com/wp/sugimoto-gallery/#i-4

「聞鳥庵」(もんどりあん)と名付けられたこちらの茶室、ガラス張りで瀬戸内の海が一望できるようになっています。茶室を取り囲む木々の色づきや、四季折々の景色が感じられそうです。今までにヴェネチア、ヴェルサイユ、京都で展示されてきました。

名前の由来になっているのは《コンポジション》で知られる画家・モンドリアン。

それに倣い要素をそぎ落として、本当に必要なものだけを魅せているのです。残念ながら中に入ることはできないのですが、この茶室で一服することを想像すると豊かな気持ちになりますね。

2-2.ラウンジ

ラウンジ

画像:杉本博司ギャラリー 時の回廊 ラウンジ風景、2022年 撮影:森山雅智

ここから、ガラスの茶室「聞鳥庵」を眺められます。

杉本博司が率いる [ 新素材研究所 ] によってデザインが加えられたラウンジは、広くスペースが取られてくつろぐことができます。

「ラウンジ」はギャラリー内にあるため、入館後の利用となり、オンラインチケットを購入した方には鑑賞体験の一環として呈茶(お茶とお菓子)がラウンジで提供されます。 

※ベネッセハウス宿泊であれば予約なしで鑑賞できますが、呈茶を希望する場合は別途ラウンジで支払いが必要です。

お茶

参照元:https://omochi-art.com/wp/sugimoto-gallery/#i-4

お茶は何種類かから選べるようになっているそう。

プリズム

参照元:https://omochi-art.com/wp/sugimoto-gallery/#i-4

運がいいと、このプリズムに当たった日差しが美しい光を放つそうです

optics

参照元:https://omochi-art.com/wp/sugimoto-gallery/#i-4

部屋には、プリズムを撮影した《Opticks》シリーズが飾られています。

2-3.宿泊者は木・金・土・祝前日がチャンス!「バータイム」

バータイム

参照元:https://omochi-art.com/wp/sugimoto-gallery/#i-4

こちらは外観から美しい夜のギャラリーを捉えた写真です。

木・金・土・祝前日のみ、17時〜23時で宿泊者のみ、バータイムとしてお酒(有料)を楽しむことができます。(2022年5月現在)

2-4.杉本作品の数々

ギャラリー内には、写真作品なども多く展示されています。モノクロの光と影の作品が多く、晴れの日と曇りの日でギャラリー内の印象が違うような場所もあります。

松林図

《松林図》

光の教会

安藤忠雄《光の教会》写真撮影:杉本博司

護王神社模型

《護王神社模型》

杉本博司 作品

杉本博司 作品

 

作品は、ベネッセアートサイト直島の黎明期から既存の《松林図》、《観念の形003オンデュロイド:平均曲率が0でない定数となる回転面》などをはじめ、主要な写真シリーズ、硝子の茶室『聞鳥庵』が新たに追加されて構成されています。

彼の代表的な写真作品やデザイン、彫刻作品などを継続的かつ本格的に多数鑑賞できる展示施設は、ここ以外に存在しません。

2-5.ブラインド・ブルー・ランドスケープ

ブラインド・ブルー・ランドスケープ

テレジータ・フェルナンデス《ブラインド・ブルー・ランドスケープ》2009年

ベネッセハウスパーク棟からテラスレストランやショップに向かう通路にある、テレジータ・フェルナンデスの《ブラインド・ブルー・ランドスケープ》は、どの時間帯に見ても美しい作品です。

ブラインド・ブルー・ランドスケープ

このインスタレーション作品では、およそ1万5000個にも及ぶガラスキューブを散りばめ、ガラスに映り込む島の風景と、それを覗き込む鑑賞者自身が向き合う体験ができます。

こちらの作品は、天気によってまったく見え方が変わるそう。ベネッセハウスパーク内には他にも屋外展示の現代アート作品があるので、忘れずチェックしてみてくださいね。

3.まとめ

杉本博司ギャラリー 時の回廊

杉本博司ギャラリー 時の回廊 ラウンジ風景、2022年 撮影:森山雅智

杉本博司ギャラリー 時の回廊 ラウンジ風景、2022年 撮影:森山雅智

杉本博司の作品と、瀬戸内海や豊かな自然との調和を感じることのできる「時の回廊」。

杉本博司が問いかけ、追い求め続ける”時間”という壮大なテーマや直島と彼の作品の関係性がじっくりと体感できそうですね。

訪れる際は、事前の予約を忘れないようにしていくこと、どんな方法でアクセスするかの検討をしっかりしていきましょう!

自然に囲まれながら豊かな芸術体験ができる直島では、長年さまざまなアーティストが関わって作品を発表し、現代アートの鑑賞に新しい可能性を示しています。

また、この記事を読んで彼の作品に興味を持った方、行ってみてさらに現代アートに興味を持った方や、実際に直島まで行くことが難しい方にご紹介したいサービスがこちらです。

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本記事を読んで杉本博司の作品に興味を持った方は是非、Artisを利用してさまざまな現代アートにも視野を広げてみてくださいね。

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