投資目的で購入した絵画や両親から受け継いだ絵画の売却を検討しているけれど、税金が気になるという方は多いです。
今回は、絵画を売却する際にかかる税金や売却先について解説します。
また、売却する際のポイントにも触れるので、検討中の方はぜひ参考にしてください。
1. 絵画を売却した際にかかる税金
絵画を売却する場合、金額によっては課税対象になります。
正しく税金を収めるためにも、詳しく把握しておくことが大切です。
1-1. 譲渡所得について
絵画を売却した際に得られる所得は「譲渡所得」に該当します。
絵画だけでなく、土地や建物などの資産を第三者に売却した場合に生じる所得が対象です。
ただし、売却価格が譲渡所得になるわけではありません。
売却価格から、資産を購入した際の代金や譲渡にかかった費用を差し引いた額が譲渡所得となります。
さらに、土地や建物以外の資産を売却する場合、所得期間が5年を超えるアイテムであれば最大50万円の控除が受けられます。
絵画を売却した際の税金は、あくまでも「所得」部分であり「売却金額」ではありません。
1-2. 1組30万円以上の絵画は課税対象
絵画を含む美術品や骨董品は、1組の売却価格が30万円以上の場合に課税対象となります。
30万円以下の場合は、家具や自動車などに代表される「生活用動産」と見なされるため、税金はかかりません。
作者や作風、知名度の有無などは関係なく、30万円を超えれば税金がかかるため注意しましょう。
2. 絵画の売却先
絵画の売却先は多岐にわたり、状況に合わせた手法を選ぶ必要があります。
主な売却先は、以下の4パターンです。
- 絵画買取専門業者
- ギャラリー
- インターネットオークション
- アートオークション
それぞれの特徴を解説します。
2-1. 絵画買取専門業者
絵画や美術品に特化した買取業者です。
アパレルや家具、家電などの不用品を買い取る業者とは異なり、アートの世界では「買取」と「販売」が分業されているケースが多く見られます。
そのため、買取専門店は潤沢な資金を持っており、現金決済に対応している業者がほとんどです。
また、繊細なアート作品を取り扱うため、自宅まで出向いて買取サービスを手がけています。
絵画の価値が分からない場合でも、専門知識を持った買取業者であれば安心して売却できるでしょう。
2-2. ギャラリー
アート作品の展示販売を行うギャラリーで委託販売を依頼する方法もあります。
ギャラリーによって、得意とするジャンルやメインで取り扱う作家が異なるため、マッチする絵画を売却したい場合に適しているでしょう。
その作家のファンが気に入れば、相場以上の価格で売却できる可能性もあります。
ただし、あくまでも「委託」であり、購入者が現れるまでは売却できません。
2-3. インターネットオークション
個人間で取引をするインターネットオークションで、絵画を売るのもひとつの手段です。
出品する時期や作家の状況によっては、無名の作家でも高く売れる可能性があります。
ただし、出品から発送まで全ての作業を自分で行わなければなりません。
特に、繊細な絵画は適切な梱包をしてから発送しなければ破損につながります。
また、不特定多数が活用するサービスであり、トラブルに発展することも多いため、十分に注意して出品することが大切です。
2-4. アートオークション
絵画を含む美術品の取引に特化したオークション会社に出品して売却する方法です。
有名なサービスとして「クリスティーズオークション」や「サザビーズオークション」が挙げられます。
ただし、これらは超一流の作品を取り扱うオークション会社であり、知名度が低い作品は断られるケースがほとんどです。
また、関税や送料もかかるため、よほど高額で取引されなければ利益が上がりません。
一方で、国内のオークションサービスであれば、無名の作品を出品できる可能性があります。
Artisは、アート作品に特化したECプラットフォームです
アート作品の出品者と購入者をつなぎ、近代美術や現代美術などジャンルを超えて作品の売買をサポートします。
絵画の売却を検討している方は、ぜひご活用ください。
サービスの詳しい内容は以下のページからご覧いただけます。
3. 絵画を売却するポイント
絵画を手放すのであれば、誰でもできるだけ高く売却したいと思います。
そのためには、下記に挙げるポイントを押さえる必要があります。
それぞれのポイントを詳しく解説します。
3-1. 売却する絵画の情報を集める
絵画を売却する際は、作品について情報を集めることが大切です。
例えば、絵画に描かれているサインや落款などをチェックしておくと、ある程度作家の情報が得られます。
また、キャンバスの裏や木枠など、表面からは見えない部分に情報が記載されているケースもあるので細かくチェックしておきましょう。
これらの情報が、売却金額を査定する際の判断材料となります。
3-2. 綺麗にしてから売却する
売却時に良い印象を与えるためにも、ある程度綺麗にしておく必要があります。
ただし、絵画は繊細なので柔らかい布や筆などを使って丁寧にホコリを落としましょう。
水拭きは画材が落ちたり傷んだりする原因になるため、必ず乾いた布等を使う点がポイントです。
また、長らく保管していた作品は劣化が進んでいる可能性があります。
無理をせず、額縁を拭く程度にして、プロに依頼しましょう。
3-3. 添付資料も合わせて売却する
絵画によっては、作者の資料や証明書などが添付されている場合があります。
これらの書類も査定の判断材料となるため、必ず添えた上で売却しましょう。
また、額縁も査定対象となります。
特に、装飾が施されている額縁は、溝にホコリが溜まりやすいので、綺麗に拭き取っておくと印象が良くなるでしょう。
3-4. 複数の業者で査定を受ける
絵画専門の買取業者に売却する場合は、複数の業者で査定を受けることをおすすめします。
一社のみだと、絵画の相場がイメージできず損をする可能性があるためです。
基本的に、絵画には定価がありません。
作家の人気度合いや流通状況によって相場が変動します。
複数社に依頼することで、おおよその相場が把握でき、より適した業者に売却しやすくなるでしょう。
4. 無名の絵画は売却できる?
「絵画の売却を考えているけれど、無名の作家が描いた作品だと売れないのではないか」と懸念している方も多いと思います。
無名の作品であっても、売却先によっては買い取ってもらえる可能性があります。
特に、実績にある買取専門業者であれば、将来性やニーズを踏まえて丁寧な査定をするため、知名度の有無だけで判断されることは少ないでしょう。
また、アートのマッチングサービスを活用する方法もおすすめです。
知名度に関係なく、必要とする購入者に出会えれば、希望の価格で売却できます。
Artisは、現代アート、日本画、彫刻などさまざまなアートの買取サービスです。
経験豊富なスタッフによる査定が受けられるので、安心してご利用いただけます。
お手持ちの作品を売却したいと検討している方は、一度査定を受けてみてはいかがでしょうか。
詳しい査定方法については、下記のページをご覧ください。
5. まとめ
今回は、絵画を売却した場合の税金や売却方法について解説しました。
絵画は、売却金額や譲渡所得によって課税・非課税が決まります。
税金について把握しないまま売却すると、申告漏れになってしまう可能性があるため注意しましょう。
また、売却方法も多岐にわたるため、状況や作品にあった手段を選ぶことが大切です。