日本だけではなく、世界中から注目を集めている花井祐介は”Ordinary people”(=どこにでもいるような人達)を描くことを通して、何をメッセージとして社会に発信しているのでしょうか。
この記事では、花井祐介の生い立ちや人物像などを通して、作品に込められた想いや、彼の意欲的な活動についてご紹介します。
彼の表現は、キャンパスだけではなく、ファッション業界とのコラボやグッズの制作など、多岐に渡ります。
作品の種類や、過去のコラボ商品、購入方法などについても触れているので、花井祐介について詳しく知りたい方や、作品の購入を考えている方は、是非、ご一読下さいませ。
1.花井祐介について
花井祐介は1970年生まれ、神奈川県出身のアーティストです。
彼は20代前半、湘南のサーファーの集まるバーでアルバイトをしていました。
アルバイトをしていたお店は、基礎の穴を掘って壁を立てたり、全部仲間内でDIYして作られ、花井はその中で看板にイラストを描いたそう。
それが、「ザ・サーフ・ギャラリー(The Surf Gallery)」というカリフォルニアのギャラリーオーナーの目に留まり、作品を出展することになります。
そこから彼のアーティストとしてのキャリアはスタートします。
25歳の時に、サンフランシスコに留学し、アートを学びます。
彼の活動はキャンパス内だけでなく、ファッション界からも注目を集めています。
2005年にはUNIQLO CREATIVE AWARD 2005(現在:UTGP)にて、グランプリを受賞し、話題に。
緑色の生地に“You don’t know how long I’ve been here, do you(どれだけ長く私がここにいたか知らないだろ)?”という木の声と、木に向かってくるブルドーザーをデザインしました。
BEAMSやVANS、NIXONなどのファッションブランドへのアートワークの提供なども行っています。
花井祐介は国内外問わず、非常に幅広く評価されており、勢いを増している活動からは目を離せません。
2.花井祐介の作品の特色
花井祐介の作品は、1950〜60年代のカウンターカルチャーの影響を受けており、日本の美的感覚とアメリカのレトロなイラストレーションを融合したスタイルが特色です。
カウンターカルチャーとは、1960年代後半に、アメリカの若者に広がった、既成の高級文化(ハイ・カルチャー)に対する反発から産まれたムーブメントのことを意味します。
反発が生まれた背景には、アメリカのベトナム戦争や公民権運動があり、その中で「ラヴ&ピース」を提唱するヒッピーと呼ばれる人々が出てきます。
ヒッピーたちはコミューンと呼ばれる共同体を作ったり、性やLSD、マリファナ等の薬物などを解放したりと、自然回帰をすることで愛や平和、自由を実現しようと試みました。
実際にユートピアが実現することはありませんでしたが、今でもファッションやアートのサブカルチャーの世界では、その流れは色濃く残っています。
花井祐介は自分自身が描く人々を”Ordinary people”(=どこにでもいるような人達)と呼んでいます。
どこにでもいる人達とは、一体どういう人なのでしょうか。
彼の書く人々は猫背だったり、どこかアンニュイな目つきであったりと、決して優れてキラキラとした人物ではないことが多いです。
それは、花井の個人を尊重する意思が強く表れているのでしょう。
その意思は、花井祐介自身のアメリカ留学の経験や、サーファーとして自然を愛する生き方から培われてきたものだと考えられます。
国や文化の枠を超えて、個人の生き方にスポットを当てた表現を行う花井祐介。
彼が今後も、どんなメッセージと共に作品を発表していくのか、是非注目し続けたいです。
3.花井祐介の作品の種類
この章では、花井祐介の作品について、もっと良く知りたい方や、花井祐介の作品購入を考えている方に向けて、花井祐介がどのような種類の作品を作っているのかご紹介します。
- 原画
- シルクスクリーン
- フィギュア
- NFT
3-1.原画
花井祐介は油絵の制作を積極的に行っています。
花井祐介が制作している油の作品は、かなり大きいサイズのものもあり、彼のはっきりとした線を心地よく楽しむことができるでしょう。
3-2.シルクスクリーン
「シルクスクリーン」とは印刷法の一種で、他の方法に比べて同じ絵柄の作品を多く作ることができます。
数を多く作ることができるため、原画などの他の作品よりも比較的安い値段で取引されることが多いです。また、大きさも手頃なものが多いため、お部屋に飾る際にも扱いやすいです。
3-3.フィギュア
花井祐介は積極的にフィギュアの作成も行っています。
立体になることによって、平面作品とはまた違った表情を細かく味わうことができることがフィギュア作品の魅力です。
今まで制作されてきたものは、抽選によって販売されることが多く、毎回その倍率はかなり高くなっています。
3-4.NFT
今年(2022年)の1月に、花井祐介は初のNFTコレクション「People In the Place They Love」を発表。
KAWSや前澤友作やといった有名人が注目していたことも話題になりました。
花井祐介のNFT作品は発売と同時に、1000個全てが即完売!
翌月からセカンダリーマーケットであるオープンシーでの取引が開始されると、作品の値段は元の値段の15倍になりました。
最終的にこの時の取引総額は日本円で約30億円に。やばすぎます。
「People In the Place They Love」は3つのフェーズに分かれているそうで、今年中に第2弾と第3弾が発表される予定です。
NFTの所有者は、FWENクラブへや花井祐介の会員制コミュニティーへの招待など、様々な特典を受けられるそうです。
作品を所有するということは、作品を通して様々な繋がりを開拓していくことにも繋がっているということを改めて感じさせられますね。
花井祐介のNFT作品シリーズは、是非注目すべきだと言えます。
4.花井祐介の作品の値段は25万円~80万円
花井祐介の作品は、大きさや種類によっても異なりますが、値段は25万円〜80万円で取引されています。
中々高額で取引されており、かなりの注目を集めていることが伺えますね。
5.高額作品だけじゃない!花井祐介のグッズ
ファッション界からも注目を集めている花井祐介のグッズに興味かあるという方に向けて
この章では花井祐介のグッズについてご紹介致します。
- 花井祐介×ビームスコラボグッズ
- 花井祐介×NIXONコラボ時計
- 花井祐介×東山動物園コラボグッズ
- 花井祐介×VANS コラボグッズ
5-1.花井祐介×ビームスコラボグッズ
アメリカの有名アニメキャラクターと花井祐介の作風が見事にマッチして、愛らしいデザインになっています。
ビームスとのコラボによって実現したおしゃれなグッズは、是非ゲットしたいですね。
5-2. 花井祐介×NIXONコラボ時計
有名時計メーカーのNIXONと花井祐介のコラボによって生まれたクールな雰囲気の時計。
コーディネートのアクセントとして、活躍してくれそうです。
5-3.花井祐介×東山動物園コラボグッズ
花井祐介は東山動物園とのコラボによって、様々なグッズをデザインしています。
動物園での限定発売ということで、動物園へ行った時には、一味違う個性の光るこちらのグッズを手に入れたいですね。
5-4.花井祐介×VANS コラボグッズ
VANSとのコラボによって生まれたのは、花井祐介のライフワークであるサーフィンを連想させるデザインが特徴的な、身につける人の心をポップに輝かせてくれそうなグッズです。
個性的なデザインで、コーディネートの主役として活躍してくれそうです。
6.花井祐介の作品を購入する方法
花井祐介の作品はインターネットで購入することができます。
花井祐介の作品を購入したいのであれば、「Artis」というサービスの利用をおすすめします。
「Artis」とは絵画の販売者と購入者を仲介する「アートECプラットフォーム」で購入者はオンラインで簡単に購入したい絵を探すことができます。
6-1.アーティスで出品中の花井祐介作品
《Rain Figure》限定490/500
販売価格:550,000円(税込)
6-2.抽選
花井祐介の作品は、過去に抽選販売を行っています。
-
アダチ版画とのコラボ 《無題2》
過去に草間弥生などの有名アーティストとの制作も行っているアダチ版画とのコラボ作品。
限定100部で予約販売され、即時完売となりました。
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DDTSTOR(香港での販売) 《Rain》 ※Aristでの取り扱い有り
KAWSともパートナーとして盛んに共同制作を行っているAllRightsReservedという香港を拠点とするクリエイティブスタジオとのコラボによって生まれた作品です。
AllRightsReservedが運営するDDTストアにて、香港限定で、抽選発売されました。
7.花井祐介の作品を日本で見る方法
花井祐介の作品はどこで見ることができるのでしょうか。
花井祐介は過去にいくつか個展を行っています。
・「IT WILL BE ALL RIGHT」 by 花井祐介
- 日時 2017年11月17日(金)~2017年12月8日(金)
- 会場 Gallery Target
アートブック”ORDINARY PEOPLE”を出版した後、「これから」についてをテーマに開催された個展です。
・T&Y Projects Collection Yusuke Hanai
- 日時:2022年4月23日(土)〜2022年6月11日(土)
- 会場:T&Y Projects
今年の春に、花井祐介の個展は日本で約5年振りに開催されました。
過去最大サイズの200号のペインティング作品や鹿児島県を拠点に活動する陶芸家の野口悦士との共同制作した初の陶芸作品が発表されたそうです。
ご紹介させていただいたように、花井祐介の作品は、個展の開催中であれば、それぞれのギャラリーで本物の作品を直接鑑賞することができます。
しかしながら、現在開催中の展示は残念ですが、無いようです・・・。(もし最新情報が入りましたら随時更新します。)
花井祐介の最新情報は、ご自身で運営されているインスタグラム(@hanaiyusuke)で随時発表されています。
次の開催が楽しみですね。
8.まとめ
今、国内外問わず、様々な業界から注目を集めている花井祐介について、その人物像から作風、コラボグッズなど、概要を簡単にご紹介させて頂きました。
アーティストの等身大の想いと、絵を描くことへの愛が詰まった花井祐介の作品には魅力が溢れていますね。
これから、表現を通じて、どのような世界を見せてくれるのか、これからも目が離せません。
この記事が、花井祐介について知る一助になれば幸いです。
ご拝読ありがとうございました。