松山智一(まつやまともかず)は、アメリカでキャリアを築いてきた、日本人の現代アーティストです。
グラデーションを巧みに利用した完成度の高いグラフィックの中に、独自のメッセージを込めた作風には目を見張るものがあります!
この記事では、そんな松山智一の作品や作品を購入する方法について、紹介していきます。
また、現代アートに興味を持った方に向けて、アート作品を購入できるサービスも掲載しています。
ぜひ最後まで目を通してみてくださいね。
1.松山智一について
1-1.松山智一の来歴
松山智一(まつやまともかず)は、アメリカ・ニューヨーク在住の日本人の現代アーティストです。
海外では、「Matzu」というニックネームで呼ばれているそう。
1976年に岐阜県に生まれ、少年時代の3年半をアメリカで過ごします。
そこでの生活は松山の人生の原体験になり、白人、黒人、ヒスパニック、アジア系など様々な人種の中で「マイノリティ」として社会を生き抜くことを肌で感じ、自分を表すファッションやスケートボードなどのストリートカルチャーの中にも影響を受けます。
中学高校はスケートボードからは離れた日々を送りますが、大学でスノーボードを始めるとどんどんとのめり込み、プロ選手を目指すことに。
しかし、怪我によって夢が打ち砕かれ、別の道で”自分を表現する”ということを試みたいと考えるようになったのです。
少年時代の鮮烈な体験は、表現者になりたいという漠然とした思いを後押しし、上智大学を卒業後に2002年にふたたび渡米。
渡米後、ニューヨークのプラット・インスティテュート(名門美術大学)のコミュニュケーションデザイン学科に入学した松山は、デザインの世界からアートへと足を踏み入れて制作をしはじめ、大学を首席で卒業。
その後もニューヨークを拠点に活動して自分を売り込んでいきます。
1-2.ナイキなどとコラボする松山智一
今でこそ有名なアーティストとなった松山智一ですが、駆け出しのころはまったく注目されていませんでした。
しかし、バーに絵を描くという松山の取り組みを雑誌で知ったナイキが声をかけ、コラボレーションすると、徐々に仕事が軌道に乗るようになったそう。次々にコラボの仕事も増やしていきます。
2018年には、PEANUTSの世界観を世に広めるためのアートプロジェクト「PEANUTS GLOBAL ARTIST COLLECTIVE(ピーナッツ・グローバル・アーティスト・コレクティブ)」の一人に選ばれ、スヌーピーとコラボしました。
いたるところにさまざまなスヌーピーがいて、楽しくなる作品ですね。
ポップながらもありきたりでない表現は、見飽きることがありません。
チャンスをたぐりよせ、夢を掴んでいく姿勢はまさにアーティストですね!
2.松山智一の作品の特色
松山智一の作品の特徴は、一言で言い表すことができませんが、グラフィックアートが根底になっていると言えるでしょう。
松山が駆け出しの頃に活動場所として選んだニューヨークは、世界のアートシーンを形作る場所であり、生き残ることがかなりシビアな世界でした。
そんな中で、自分が異国の地でアーティストを志すことに意味を与えたいと考えた松山は、日本画、戦後のコンテンポラリーアートの要素を分解して組み込もうと考えます。
そしてたどり着いた現在のスタイルは、レイヤード(何層かを重ねる)、物質や意味の再構築、相反する要素を入れることなどの手法をミックスし組み合わせたものです。
巧みな技術を使いながら、要素と技法を関連させて制作されているのです。
一目で見て心惹かれる作品ですが、もう一歩踏み込んで見てみるとさらに日本の要素に関連した奥行きがあることがとても興味深いですね。
3.松山智一の作品の値段
ニューヨークで、どんどんと夢のステップを駆け登っていた松山智一。
世界が注目するアーティストの価値を測る基準として、作品の値段も気になりますよね。
価格は変動していきますが、現在では約30万円〜数百万円の値段で取引されているようです。
現代アート界が盛り上がりを見せる今、松山智一の作品の価格について今後の動向も気になりますね。
4.松山智一の作品を購入する方法
見ているとこちらまでインスピレーションが感じられるような松山智一の作品。
購入して手元に置いておきたい、と考える方も多いことでしょう。
現在、松山智一の作品はインターネットの販売サービスや、オークションなどで購入できることが確認されています。しかし、競争率も高いようで、簡単には入手できないと思っておいたほうがいいでしょう。
松山智一はシルクスクリーンのプリント作品なども発表しており、ペインティングシリーズよりはそちらが手に入りやすいので、チェックしてみるとよさそうです!
5.松山智一の作品は新宿にある?
記事で紹介した内容からは、グラフィックアートのイメージが強い松山智一ですが、東京の新宿に彼の手がけた巨大な彫刻作品が置かれていることをご存知でしょうか。
この巨大なパブリックアート「花尾」(英語表記 Hanao-San)のテーマは「Metro – Bewilder」(メトロビウィルダー)。
新宿という都会を意味する「Metro」(メトロ)、生命的な松山作品から連想されるような自然を意味する「Wild」(ワイルド)、当惑を意味する「Bewilder」(ビウィルダー)の3つを組み合わせた造語です。
構想から2年半を要したこの作品は、満を持して新宿東口のロータリーに据えられました。
新宿駅は世界一の乗降者人数を記録しており、人種、国籍、性別、年齢の異なる様々な人々が往来する場所。
「花尾」は花束を持った少年をモチーフにしており、異なるバックグラウンドを持つ人々を歓迎しているようです。また、鏡面仕上げになっているため、周囲の色を映し、存在感を保ちながらもその場所にある意味をはっきりと示します。
金属の彫刻作品でありながらも少年の遊び心を感じるような曲線のリズムがとても面白いと思いませんか?
実はその色や柄にも異文化を渡ってきた松山ならではのメッセージが込められているそう。思わず足を止めて見てしまいますね。
マップも添付します。
6.まとめ
この記事では、現代アーティスト・松山智一について紹介しました。
少年時代のルーツをアメリカにもつ松山は、現在もアメリカニューヨーク・ブルックリンにスタジオを構えて制作を続けています。
作風からはとても華やかなイメージを受けるアーティストですが、実は自分の実力のみを頼りに、努力して作品を売り込んでいったことが印象的でしたね。
新宿駅を利用する方は、しばし立ち止まって松山智一の作品を眺めてみるのもよさそうです。