アート投資を考える上で大事なのが市場規模です。
アート・バーゼルとUBSが21年のアート市場を分析したレポート「The Art Basel and UBS Global Art Market Report 2022」では市場規模は前年比で29%増の約7兆9800億円で、コロナが世界で蔓延する以前の19年の規模を上回っているのです。
当記事ではそんな世界のアート市場の現状と日本のアート市場の現状を調べました。
ぜひご参考ください。
1.世界のアート市場の規模
「The Art Market 2022」の2022年版によると21年のアート市場はコロナ禍で縮小した20年から一転し回復したと報告しています。
市場全体の推移は前年比の29%増の計651億ドルになり19年の市場規模を上回りました。
国別のシェアに関していえば世界1位のアメリカは43%まで拡大し中華圏はイギリスを抜いて2位となりシェアは20%。
対面式のオークションやイベントなどが再開されオークションの売上高は前年比と比較しV字回復の47%増の263億円に達しました。
フェアも再開され売上はコロナ以前の水準まで達していないものの2/3のディーラーは「増加する」と予測しています。
アートジャンルで言えば富裕層の74%は21年にNFTアートを購入しており支出額の中オウチは19年を中オウチにして2020年に1. 75、21年には3.8と増加しています。
2.日本のアート市場の規模
「日本のアート産業に関する市場調査2021」(主催:一般社団法人アート東京、制作:エートーキョー株式会社)によると約2万人を対象とした購入動向調査により国内のアート市場規模推計約8.4%の減少となりました。
欧米のアート市場だと20%以上の減少なので限定的な減少幅と言えます。
アート市場における割合を推測すると20年の世界のアート市場規模7兆円に対して国内の事業者市場規模は2270億円と3.2%です。
3.アート購入の年齢層は30代から50代が大半
美術館におくと比較的年配の女性が多く鑑賞しているイメージですが、購入者は圧倒的に男性が多いです。
購入金額の総合計や平均購入単価ともに男性が圧倒的に多い結果となっています。
年代別では50代の次に40代→30代という割合で30代から50代が大半を占めています。
4.日本のアートの市場動向【まとめ】
日本人はアートに興味を持つ習慣がないと言われてきましたが、コロナを経て多くの考え方やライフスタイルが変化し日本でもアートを購入することが徐々に一般的になってきています。
2020年にはコロナによりアートマーケットが一時的に冷え込んだものの世界的な金融緩和により株価が上昇しました。
コロナ禍をきっかけにアートを購入した人たちも多く20年4月以降に初めて美術品を購入した人を対象に「購入のきっかけ」をリサーチした結果全体の18%が「新型コロナ感染の拡大に伴い自宅にいる時間が増えたから」と回答しています。
今後も日本のアート市場は活発になっていくことが推測されます。