NFTアートと著作権の関係性について疑問をお持ちの方はいませんか?
中には「NFTアートを購入したら著作権も所有することになる」と勘違いしている方も多いでしょう。
当記事では今さら聞けないNFTアートの著作権について簡単に解説します!
ぜひご参考ください。
1.NFTアートと著作権の違い
大前提としてNFTと著作権は全く異なります。
NFTとは「非代替性トークン(Non-Fungible Token)」の略で「トークン(token)」の種類の一つです。
この「token」という言葉は「証拠」や「真正性」という意味です。
つまり「NFTとはデジタルデータ購入時に正規品であることの証明書」のようなものなのです。
高級時計を購入した時についてくるシリアルナンバー入りの「国際保証書」などがイメージしやすいでしょう。
中には「NFTアートはコピーできない」というのを耳にしますが、これは「トークンである証明書がコピーできない」という意味で、デジタルデータ自体を「jpg」や「ping」でコピーできないわけではありません。
つまりNFTとはアートにおいてデジタルデータが正規品であることの証明書のコピーや複製、改ざんを防止する技術です。
一方で著作権はデジタルデータそのもののコピーを法律上で禁止する権利です。
1-1.NFTアートを購入しても二次的著作物を作成する権利は購入者にない
NFTアートを購入し所有したとしても著作権上の所有権は購入者に付与されません。
つまりNFTの所有とオリジナルアートの著作権は別々に存在します。
アーティストなど著作権者が所持している著作物を複製したり販売したり著作権自体を渡したりすることや二次的著作物を作る権利は購入者にないので注意しましょう。
2.既存の作品をNFT化するのは問題!禁止事項をチェックしよう
NFTアートを出品する場合、他人の権利を侵害してはいけません。
例えば草間彌生の作品を本人に無断でNFTアートにして出品することは以下の著作権法上で禁止されています。
- 複製権(21条)
- 自動公衆送信権(23条1項)
- 譲渡権(26条の2第1項)
またアーティストの著作物に改変しNFTアート化する場合は以下の権利を侵害することになります。
- 翻案権(27条条)
- 同一性保持権(20条1項)
上記のような出品は一般的にマーケットプレイスの利用規約で禁止事項となっています。
また、NFTアートの制作に複数人が関与している場合は他の権利者から出品承諾を得る必要があります。
2-1.著作権侵害が横行している
誰でも簡単に既存アートをNFT化できてしまうことからNFTアートの著作権侵害トラブルが多発することが懸念されていますし、実際に起こっています。
現状では侵害案件が裁判所で争点になる場合、訴訟費用や判決がどうなるかわからない不確実性において問題となっています。
上記のようなNFTアートにおける著作権侵害の問題が生じるためOpenSeaなどNFTアートを扱うプラットフォーム事業者はデジタルミレニアム著作権法(DMCA)やその他法律に基づいて該当する作品の削除あるいは削除要請などの対応義務を追う可能性が少なからずあります。
デジタルミレニアム著作権法がNFTアートのプラットフォームにおいてどれほど適当されるのかは未知数なもののいくつかのNFTアートプラットフォーム、例えばOPenSeaでは利用既約においてそのことが明記されているのです。
3.まとめ
以上、NFTアートの著作権について解説しました。
NFTとは「デジタルデータ購入時に正規品であることの証明書」であり著作権ではありません。
著作権はオリジナルアートの作者などが所持していますので例えNFTアートを購入したとしても著作物を複製したり販売したり著作権自体を渡したりすることや二次的著作物を作る権利はないので注意しましょう。
最後にNFTアートの著作権で今回紹介した要点をまとめます。
- NFTアートを購入しても二次的著作物を作成する権利は購入者にない
- 既存の作品をNFT化するのは問題
- 著作権侵害が横行している
NFTアートの著作権についてお調べの方はぜひ当記事をご参考ください。