オフィスにおいたアートで会社のカルチャーが伝わる 職場と日常にアートが溶け込むことで生まれる楽しさ | Artis

オフィスにおいたアートで会社のカルチャーが伝わる 職場と日常にアートが溶け込むことで生まれる楽しさ

「コンテンツブティック」をテーマに企業のプロモーションを中心としてクリエイティブの側面から企業支援を行う株式会社オールブルー。2022年の春に現在のオフィスに移転し、エントランスと会議室に会社のコンセプトに合わせたアートを設置しています。

CEOの助野太祐さんにそもそものアートとの出会いや会社に起こった変化についてお話を伺いました。

/ PROFILE /

助野太祐

シンガポール生まれ。2005年にリクルート入社、2007年より博報堂にて勤務。2013年に起業し、オールブルー設立。「コンテンツブティック」をテーマにクリエイティブ、イベント、PR、プロモーションなど、多角的なアプローチで企業支援を行う。

オフィスに訪れた人に会社らしさを伝えてくれるアート

——助野さんがアートを購入するようになったきっかけを教えてください

6年くらい前に自宅を購入して、リビングに飾るものを探し始めたのがきっかけです。来客も多かったのでオリジナリティを出したいなと思いまして。インテリアの延長線上にアートがあった感じです。

画廊を回ったりしていろんな作品に触れる中で自分の嗜好もわかってきまして、初めて購入したのがロンドンのアーティストのStikさんの絵。今でもそんな感じのシンプルでかわいい作品が好きです。

——オフィスには現在2枚のアートが飾られていますが、こちらはどういう経緯で選んだのでしょう

こちらのオフィスに引っ越したのが4ヶ月前ですが、せっかくいい感じのオフィスなので僕たちの会社らしさをもっと出したいなと。当社は広告を作っている会社で、ストリートカルチャーから得た発想を大事にして仕事をしているんです。だからストリートっぽい絵を飾ることで「らしい空間」になると思い、こちらの作品を選びました。

エントランスに飾られているデラックスさんの作品。キャップ部には会社のキーロゴをあしらっている

この作品を描いたのはデラックスさんというアーティストで、最近は海外有名ミュージシャンにインスタグラムをフォローされたりと人気が高まっています。かわいくて色味がきれいで、インパクトもあるのがお気に入りです。僕が知った当初はまだそれほど知名度もなかったので、関わっていく中でアーティストが成長していく過程を見れたのもすごく嬉しかったですね。

今オフィスに飾っている二作品のうち、エントランスに飾っているものはALL BLUEの企業ロゴをキャップに入れてもらうリクエストをしました。あとは基本色を青色にしてもらって。オフィスに訪れた人に当社らしさをいい感じで伝える存在になってくれたと思います。

アートを通して感覚的な共感が伝わるのが楽しい

——オフィスにアートを飾ることで何か会社に変化はありましたか

お客様を呼びたいオフィスになったと感じています。アートがあることで空間の質が高くなったと思いますし、中に入っての印象が全く違いますよね。「この絵はなんだろう」「いい絵だな」と興味を持ってくれた方との会話のフックになるし、当社のカルチャーへの共感度や理解度を高めてくれるアイテムになっていると思います。

会議室。訪問客や社員からの反響も多い

また、アートに興味を持ち始めたタイミングで会社のマインドが変わったと思います。4期目くらいまでは今ある既存の価値観を全部壊して、ゼロから自分たちが新しいものを生み出していこうというモチベーションでした。でも今は既存の価値観に僕らが何かプラスすることでアップデートをしていくという方向に転換しています。

アーティストさんの作品を見ても、時系列で作品を眺めた時にアップデートしているということをすごく実感するんです。でも根幹にあるアイデンティティみたいなものは変わってないのもわかる。だから、全部壊さなくてもアップデートしていけるんだというのはビジネス上でもあるんだと思います。

だから、アップデートするためにとにかくいいものに触れる機会を増やすことを、アートと関わるようになってから強く意識するようになりました。

——アートを購入するようになって良かったと思うことはありますか

アート好きな人のコミュニティに参加するようになったことで、人生に楽しい要素が加わったと感じています。「僕はこういうアートを集めていて、こういう雰囲気の作品が好き」というような感覚的なものって、比較的人に共有しやすいんです。もちろん、車とか時計も好きですが、アートよりは若干自己満足要素が多いかなと感じているんです。共感する楽しさがあることがアートの良さとして大きいと思います。

誘われて訪れたギャラリーで意外な知り合いに出会うことも楽しいとお話しする助野さん

だから、コミュニティに参加している人とのコミュニケーションの中でアートを選んだり新しいアーティストを知ったりというのが多いですね。例えばギャラリーが開催しているのに誘われて予定が空いていたらふらっと行ったりとか。コミュニティの人との付き合いを含めてアートを楽しんでいます。アートに対して真面目に勉強するというのは僕のスタイルじゃない。食事や旅行、ファッションを楽しむのに近い感覚です。

自分が好きなものを感覚で選んでいます

——アートの選び方で何か基準はありますか

自分が好きだと思ったもの、ビビッときたものを即決で購入します。入り口としてはArtisのアプリを眺めて、「お、これいいぞ」となるパターンが多いですね。ギャラリーや展示は誘われればいきますが、そこで積極的に購入する商品を選ぶという感じではありません。本当に自然に自分が好きなものに特化して選んでいます。

ただ、「こんないいアーティストがいるよ」という情報はコミュニティから得られることが多いので、好きなアーティストを見つけられる可能性が高くなったのはコミュニティに参加して良かった点です。

——今後のアート購入の予定はありますか

会議室にもう一枚、今の作品と対になるようなアートを飾ることを決めています。それが終われば一旦このオフィスに関しては完了かなと。会社の規模が大きくなればまた大きなオフィスに移転することになると思うので、その時にはまた新しいコンセプトが生まれるはずです。今とは全く違う雰囲気のアートを飾ることになるかもしれないですし、もしかしたら飽きているかもしれない(笑)。

対となるアートは女の子を計画中だという

とりあえず今のオフィスでは今飾っているアートでいい流れができているなとも感じているので、特段交換や無理に増やすことはせずに今の雰囲気を大切にしたいと思います。

——これからアートを購入したいと考えている人にメッセージをお願いします

僕は美術的な知識はないので、好きかどうかだけで選んでいます。あとはそのアートが置かれる場所をイメージできるかどうかは大切だと思いますね。どこに置くかをイメージできないと、どんなに今後価値が上がると評価されていたり、すでに有名で人気がある作品だとしても結局縁が切れてしまう。この空間にこういう雰囲気の作品があったら素敵だなと思えるものであれば、あまり深く考えずに購入してみるのがいいのではないでしょうか。

肩肘張らずに自然体でアートを楽しむのがおすすめです

編集後記

一口にアートといっても、堅苦しいものだけでなくポップで感覚的に共感しやすいもの、難しく考えずともシンプルにいいなと思えるものもたくさんある。助野さんは自分らしくルールに縛られないアートとの関わりを体現していた。また、オフィスにアートがあることで会社らしさが感覚的に伝わりやすくなるのも、オフィスで取材をして実感したところだ。もう一枚会議室にアートが加わることで、より魅力的なオフィスになるであろうALL BLUEのさらなる事業発展に期待したい。

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