上記の缶が描かれたアートを見たことある方は多いのではないでしょうか。
このアートは「アンディウォーホル」の作品です。
彼はアメリカ出身のアーティストで広告や新聞・商品といった身近な暮らしの中にあるものを題材としたポップアートの創設者です。
そんな彼の作品は現在、多くの人から注目を集めています。
本記事では、アンディウォーホルの作品解説と彼の経歴の関連性を説明しています。
ぜひ、本記事を通してアンディウォーホルの作品に対する理解を深めてみてくださいね。
1.アンディウォーホルはポップアートの創設者!|彼の作品と共にポップアートについて解説!
本章ではアンディウォーホルの人物像についての紹介と彼の作品が人気である理由を解説します。
アンディウォーホルはアメリカ出身のアーティストでポップアートの創設者です。
ポップアートとは大衆文化や消費社会を主にテーマとして、広告や新聞・商品といった私たちの身近にあるものが描かれている点が特徴です。
上記のアートはアンディウォーホルの作品で1900年代にアメリカで人気だった女優「マリリン・モンロー」をモデルとして描かれています。
上記のアートは1900年の中華人民共和国の政治家「毛沢東」をモデルとして描かれた作品です。
このような私たちの身近な人物・商品をアートで表現したものをポップアートと言います。
さらに、アンディウォーホルはこれらのポップアートに皮肉的な意味合いを込めています。
次の章では、アンディウォーホルの作品を解説していきます。
2.アンディウォーホルの代表作品を解説!|彼の経歴と作品の関連性は?
本章ではアンディウォーホルの代表作品の解説を彼の経歴の関連性と共に説明します。
【アンディウォーホルの経歴と作品】
- 生い立ちと若齢期
- 商業イラストレーター時代|靴の広告デザイン
- ポップアートアーティストとしての創作活動時代|キャンベルスープの缶|マリリンモンロー|毛沢東
- 「ファクトリー」設立時代|Green Coca Cola Bottles
- ポップアートと至上主義文化の矛盾から批判を受けた時代
- ウォーホル襲撃事件
- 晩年と死
2-1.生い立ちと若齢期
アンディウォーホルは1928年にアメリカのペンシルバニア州のピッツバーグに4人兄弟の末っ子として生まれました。
彼は小学生の時に神経系疾患「シデナム舞踏病」という病気を発症し、その病気の症状である顔や手足の痙攣に悩まされていました。
また、彼はこの病気と皮膚の色素沈着を起こす「猩紅熱」も併発していたため体から色素を失ってしまいます。
これらの病気が原因でアンディウォーホルは少しの体調不良で「自分は大きな病気になってしまったのではないか」と極度の不安に陥る「心気症」も発症してしまいました。
このような大きな病を二度も経験したため、極度の不安を感じることは当然ですよね。
不安と立ち向かうことが難しくなってしまったアンディウォーホルは若くして、部屋に引きこもるようになってしまいます。
しかし、この経験のおかげで映画やアートに触れ、現在の彼のアーティストとしての地位を確立するきっかけとなったのです。
2-2.商業イラストレーターとしてアートを描いていた時代|靴の広告をデザイン
引きこもりの若齢期を経て、彼は商業美術の勉強をはじめ学生美術誌『Cano』のディレクターや表紙のイラストを担当するようになりました。
その後、彼はニューヨークへ移動し雑誌や広告のデザイナーとしてのアートと関連のある人生を歩み始めたのです。
この頃にアンディウォーホルがデザインした広告は以下の通りです。
靴のヒールやつま先のフォームを繊細に表現したデザインですよね。
とても可愛らしく、靴を購入したいと思わせる広告です。
2-3.ポップアートアーティストとしての創作活動時代|キャンベルスープの缶|マリリンモンロー|毛沢東
広告の商業デザイナーを経て、アンディウォーホルはポップアートの創作を行うようになります。
1950年から、アンディウォーホルは自身の個展を開催するなどしてポップアートの拡散を目指しましたが、最初は上手くいかず作品は評価されませんでした。
しかし、1962年5月にアメリカの「タイム」誌に彼の作品「キャンベルスープの缶」が紹介されたことをきっかけに、その後の個展から彼の作品は評価されるようになりました。
その後、彼はキャンベルスープの缶を32個描いた「32点のキャンベルスープの缶」を制作しました。
アンディウォーホルが「キャンベルスープの缶」をなぜモデルとしたアートをデザインしたのか不思議に思いますよね。
彼が創設したポップアートのテーマは「大衆文化」と「消費社会」です。
これらのことから彼はこの2つのテーマをキャンベルスープの缶を用いて表現したと考えられます。
キャンベルスープの缶はアメリカで普及している缶詰の1つで、アメリカ人にとって身近な商品です。
さらに、これらのキャンベルスープの缶がたくさん並んでいる様子はまるで、スーパーで販売されているように見えます。
大衆に浸透しているキャンベルスープの缶を用いて、スーパーなどで大量販売している様子を「消費社会」と関連させて描いたのです。
ポップアートの創設者として名を馳せた彼は、その後に「マリリンモンロー」や「毛沢東」
をモデルとした作品を描いています。
マリリンモンローも毛沢東も社会に浸透した人物であるため、アンディウォーホルはポップアートのテーマの1つである「大衆文化」に沿って描いたということがわかります。
2-4.「ファクトリー」設立時代|Green Coca Cola Bottles
ポップアートの創設者としての地位を確立したアンディウォーホルは、自身の作品を展示する「ファクトリー」を設立します。
このファクトリーには多くのアーティストが訪れ、アンディウォーホルの知名度が急上昇するきっかけとなりました。
その時期に彼が制作した作品は以下の「Green Coca Cola Bottles」です。
アンディウォーホルの「Green Coca Cola Bottles」は、32点のキャンベルスープの缶と同様に、大衆に浸透している消費社会のテーマに沿った作品だと考えられます。
2-5.ポップアートと至上主義文化の矛盾から批判を受けた時代
アンディウォーホルは大衆文化と消費社会をテーマに作品を皮肉的に描いているとこれまで紹介してきました。
そんな彼は、1962年12月に開催されたニューヨーク美術館のポップアートに関するシンポジウムで展示した作品が「消費社会」と矛盾していると批判を受けます。
当時、アンディウォーホルが展示した作品は、倉庫をイメージした空間に市販の箱を大量に積み重ねた彫刻です。
この彫刻作品が批判を受けた原因は、この作品からアンディウォーホルは「市場主義文化」を受け入れていると捉えられ、彼がテーマとしている消費主義社会に屈服していると考えられたからです。
2-6.ウォーホル襲撃事件
1968年6月3日にアンディウォーホルはラディカル・フェミニズム団体のメンバーに銃撃されました。
その銃撃によって、彼は重体となりましたが一命をとりとめます。
銃撃したフェミニズム団体のメンバーは「ヴァレリー・ソラナス」という名前の女性で、彼女はアンディウォーホルと関わりのあった人物でした。
彼女は父親からの性的虐待が原因で、男性に対して憎悪を抱いている「過激派フェミニスト派」として活動しているファクトリー常連者でした。
そのような彼女の特殊な経歴に目をつけたアンディウォーホルは、彼が1968年に制作した「I, a Man」に彼女を出演させます。
彼は、ソラナスを見世物的なかたちで出演させましたが、彼女はこの映画の出演をきっかけに「アンディウォーホルから才能を認められた」と勘違いしてしまいます。
その後、ソラナスはアンディウォーホルが自分を出演させた意図を知り、彼に対して憎しみの感情を抱きはじめました。
そして、アンディウォーホルを銃撃することを決意したのです。
2-7.多彩な活動を終えた晩年と死
1982年から1986年にかけて、アンディウォーホルは災害や神話をモチーフとした作品を制作しました。
1983年から1987年にかけて、彼はテレビCMやミュージックビデオの制作といったメディアでの活躍も増えてきましたが、1987年の2月21日に心臓発作が原因で亡くなりました。
3.アンディウォーホルの作品やグッズはどこで購入できる?|購入できる店舗・オンラインストアを紹介
アンディウォーホルの作品・グッズが購入できる場所は以下の通りです。
【アンディウォーホルの作品・グッズ購入場所一覧】
- MoMA Design Store
- art and frame
- アマゾン
- 楽天市場
3-1.MoMA Design Store
MoMA Design Storeではポスターやパズルをはじめとしたアンディウォーホルの作品・グッズを購入することができます。
アンディウォーホルの代表作であるマリリンモンローやキャンベルスープ缶の作品・グッズが販売されているので、気になった方はぜひチェックしてみてくださいね。
MoMaDesignStore公式サイトURL |
https://www.momastore.jp/shop/ |
3-2.ART and FRAME
ART and FRAMEでは、アンディウォーホルの版画・ポスターをはじめとした作品が数多く販売されています。
主に、版画やポスターが販売されているためアンディウォーホルの作品の購入を本格的に検討されている方におすすめのサイトです。
ぜひ、購入したい方はサイトをチェックしてみてくださいね。
ART and FRAME公式サイトURL |
https://www.art-frame.net/ |
3-3.Amazon
Amazonではポスターやトートバックといったアンディウォーホルの作品・グッズが販売されています。
Amzonはメジャーな販売サイトであるため、アンディウォーホルのグッズを簡単に購入したい方におすすめのサイトです。
Amzon公式サイトURL |
https://www.amazon.co.jp/ref=nav_logo |
3-4.楽天市場
楽天市場ではポスターやステイショナリーといったアンディウォーホルの作品・グッズが数多く販売されています。
楽天市場もAmazonと同様にメジャーな販売サイトであるため、簡単にアンディウォーホルの作品・グッズを購入したい方におすすめのサイトです。
楽天市場公式サイトURL |
https://www.rakuten.co.jp/ |
4.アンディウォーホルの作品を買い取ってくれる場所はどこ?
アンディウォーホルの作品は画廊や美術鑑定ショップで買い取ってもらうことができます。
ぜひ、自宅付近の画廊・美術鑑定ショップに問い合わせてみてくださいね。
5.アンディウォーホルの展示会の概要|アンディ・ウォーホル・キョウト
2022年9月17日(土)から2023年2月12日(日)まで京都市京セラ美術館で展示会「アンディ・ウォーホル・キョウト」が開催されています。
約200点+映像15作のアンディウォーホルの作品が展示されており、そのうちの100点以上は日本初公開作品です。
本記事のアンディウォーホルの作品解説を通して、彼の作品に興味を持った方はぜひチェックしてみてくださいね。
「アンディ・ウォーホル・キョウト」詳細 |
|
期間 |
2022年9月17日(土)から2023年2月12日(日) |
会場 |
京都市京セラ美術館 新館 東山キューブ |
時間 |
10:00~18:00 入場は閉館の30分前まで |
休館日 |
月曜日(但し祝日の場合は開館)、12月28日~1月2日 |
チケット |
<観覧料> 土日祝一般 :2,200円(2,000円) 平日一般:2,000円(1,800円) 大学・高校生:1,400円(1,200円) 中学・小学生:800円(600円) |
アクセス |
公式ホームページ参照 →https://kyotocity-kyocera.museum/access |
参照:「アンディ・ウォーホル・キョウト」公式サイト
https://www.andywarholkyoto.jp/
6.【まとめ】アンディウォーホルの作品解説|大衆文化と消費社会をモチーフにした作品がメイン
本記事のまとめは以下の通りです。
【本記事のまとめ】
- 彼はもともとは広告などのデザイナーであった
- ポップアートの創設者
- アンディウォーホルは「大衆文化」と「消費主義」を作品のモチーフとしている
本記事では、アンディウォーホルの経歴を交えながら作品の解説をしました。
もし、本記事をきっかけにアンディウォーホルに興味を持ったら作品を購入してみたり展覧会に足を運んでみてくださいね。