レンブラントの代表作「夜警」とは?作品にまつわる逸話も紹介 | Artis

レンブラントの代表作「夜警」とは?作品にまつわる逸話も紹介

レンブラントの代表作「夜警」とは?作品にまつわる逸話も紹介
出典元:https://artmuseum.jpn.org/mu_yakei.html

光と影を巧みに操る作品で知られる画家レンブラントの代表作「夜警」は、彼の画家人生においても最高傑作といわれるほどの名作です。

今回は、レンブラントについて解説するとともに、夜警にまつわる逸話を紹介します。

1.レンブラントとは

レンブラントは、オランダ美術の黄金期でもある17世紀に活躍した画家です。

オランダのみならず、ヨーロッパの美術史においても外すことのできない人物といえるでしょう。

1606年にオランダの裕福な家庭で生まれ、14歳でライデン大学への飛び級が許可されるほどの秀才でしたが、大学を中退し画家の道に進みます。

当時のオランダには美術学校がなく、イタリアへ留学した経験を持つ歴史画家のヤーコプ・ファン・スヴァーネンブルフに師事し、絵画の勉強をはじめました。

約3年に渡り技術を習得したレンブラントは、その類いまれなる才能により、18歳で画家として独立。

1942年には名作「夜警」を発表し、画家として最高の日々を送っていました。

しかし、「夜警」を描いている最中に、最愛の妻を亡くします。

それ以降に発表した作品も、世間の求めるものとは異なっていました。

元来、浪費癖があったレンブラントは、借金を膨れ上がらせ、ついには破産してしまいます。

転落した人生が好転することはなく、孤独のうちにその生涯を閉じました。

2.レンブラントの代表作品「夜警」について

レンブラントの代表作品「夜警」について

出典:アムステルダム国立美術館
https://www.rijksmuseum.nl/en/collection/SK-C-5

波乱な人生を歩んだレンブラントですが、彼の名作「夜警」は現代においても、多くの芸術ファンを魅了しています。

続いては、「夜警」にスポットをあてて、詳しく紐解いていきましょう。

2-1.世界3大名画の一つ

「夜警」は、世界3大名画の一つとしても知られる名作です。

レオナルド・ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」、ベラスケスの「ラス・メニーナス」と並び、数々の名作を超える優秀な作品といわれています。

「夜警」は、アムステルダムの自警団を題材にした作品で、多数の人物が個性豊かに表現され、臨場感のある作品です。

当時、こうした集団肖像画を描く際は、横並びに表現するケースが一般的でした。

しかし、レンブランドは、常識を覆すかのようにダイナミックな表現をしています。

2-2.実は夜の絵ではない

「夜警」といえば、暗がりの中に浮かび上がる複数の人物という印象があり、夜の絵だと思っている方も多いでしょう。

しかし、実は「夜警」は昼の様子を描いたものです。

描かれてから時間が経過し、ニスが劣化したことで黒く見えるため「夜警」と呼ばれるようになりました。

2-3.展示されているのは一部だけ

レンブラントの「夜警」は、現在アムステルダム国立美術館に展示されています。

しかし、現在私たちが見られる作品は、本当の姿ではありません。

「夜警」は、アムステルダムの市民警備隊が使用していたホール「クロフェニアス・ドーレン」に飾るために依頼された作品でした。

その後、自衛団が下火になったことをきっかけに、アムステルダム市庁舎に移動することになります。

ところが、絵を飾る予定のスペースよりもサイズが大きすぎたため、一部が切り取られてしまったのです。

現在も、切り取られた部分は発見されていません。

2-4.「夜警」が見舞われた災難

「夜警」が見舞われた災難は、市庁舎の展示によって切り取られたことだけではありませんでした。

実は、完成から現在に至るまで、3回も災難に遭っています。

中でも、多くの人を驚かせたのが1975年の出来事です。

展示されていた「夜警」に近づいた男性が、いきなりナイフを使ってキャンパスを切りつけました。

その被害は凄まじく、修復には8ヶ月もの時間を要しています。

3.レンブラントの「夜警」の修復について

様々な被害に遭っている「夜警」は、これまでに25回を超える修復を受けています。

最も大掛かりな修復となったのが、2019年にアムステルダム美術館で行われた過去最大のプロジェクト「Operation Night Watch」でした。

この修復で、市庁舎への移動で切り取られた部分が、最新のテクノロジーを駆使して再現されました。

オンラインでは、修復の過程が公開されているので、ぜひチェックしてみてください。

4.レンブラントの「夜警」が見られる場所

レンブラントの「夜警」は、現在もアムステルダム美術館で見られます。

2019年に修復された部分も鑑賞できるため、一度は訪れてみたい場所といえるでしょう。

レンブラントの生まれ故郷であり、活躍していた地でもあるため、「夜警」以外の作品も多く展示されています。

5.まとめ

今回は、ヨーロッパの美術史を代表する画家レンブラントの代表作「夜警」を紹介しました。

波乱な人生を歩んだレンブラントの最高傑作は、世界3大名画の一つに数えられています。

ダイナミックな作風はもちろん、サイズ的にも大作であり、その迫力を感じてみたいという方も多いでしょう。

また、近年のテクノロジーにより、幻とも言える切り取られた部分が復元されている点も押さえておきたいポイントです。

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