スタイリッシュでセクシーなロボットのアート作品を世に送り出し続けるイラストレーター、空山基(そらやま はじめ)。
独自の美の基準を提示する、空山基の代表作品について紹介しています。
また、彼の作品を実際に見てみたい方や、彼の作品を購入したい!という方もいることでしょう。
展覧会の情報や、現代アートを購入する方に向けて方法をお伝えしているので、是非最後までチェックしてみてくださいね。
1.空山基とは?
空山 基(そらやま はじめ)は東京在住のイラストレーターで、日本を中心に世界でも活躍しています。
1947年に生まれた空山基は、広告代理店にグラフィックデザイナーとして勤めたのち、1971年にフリーのイラストレーターとして独立。
テクノロジーと美の融合を独自の感性と高い描写力で追求した作品で知られ、現代アートギャラリー「NANZUKA」NANZUKA – Contemporary Art Galleryに所属していますが、昔はアンダーグラウンドなカルチャーにおいて、強い人気を集めていたのです。
こちらの写真はDiorと空山基の彫刻がコラボレーションを行った際のもの。
中央に光を受けて輝くメタリックでどこか妖しげな作品が存在感を放っていますね。
この他にも空山基は、ディズニーなどの誰もが知るビックブランド、NIKEなどの大手ファッションブランドや数々のストリートブランド等とのコラボレーションも数多く果たしており、自身の表現の可能性を発展させながら精力的に活動を続けています。
空山基についてもっと知りたい方はこちらの記事をご参考ください。
2.空山基の代表作
さっそく、空山基の代表作を2つご紹介します。
- セクシーロボット
- AIBOのコンセプトデザイン
2つの代表作について次項で詳しく解説します!
2-1. セクシーロボット
代表作「セクシーロボット」シリーズに見られるのは、女性的な魅力を打ち出した刺激的でフェティッシュな表現。
近未来的ながらも、なまめかしい女性の仕草をとらえています。
本来ならば相容れないように感じる人間の身体と機械というモチーフ。
この代表シリーズが生まれたのは、彼がフリーになって間もない1979年に、サントリーの広告のために描いたのが始まりでした。
”最初に描いたのは男と犬のロボットで、次がセクシーな女のロボット。当時はそんなもの存在しなくて、前例がないから燃えましたね。”
と自身のインタビューで語る空山基。
その後、「セクシーロボット」シリーズが海外の雑誌のピンナップイラストとして徐々にその名を広めると、日本でもアンダーグラウンドなアートを支持する層から強く支持され、メインストリームへと駆け上りました。
空山が貫いた自身のフェチズムが、言語の壁を越えて伝わっていったのですね。
また、シリーズにおける驚くべき描写力も、この作品の魅力を構成する大きな要素です。
しなやかな女性の曲線美が存分に発揮されつつ、ロボット特有の金属の写り込みや光の表現がこちらをドキっとさせますよね。
地道なイラストレーター時代に培われた確かな表現技術に、目を見張るものがあります。
2-2.ロボット犬AIBOのコンセプトデザイン
ソニーが1999年から販売しているペットロボットシリーズ「AIBO」をご存じでしょうか。
実は、空山基は初代AIBOのデザインも手掛けているのです!
AIBOとは人と一緒に成長する、という特徴を持ったエンターテイメントロボットで、飼い主が愛情を示したり、時には叱りながらしつけたりすることで、学習して育っていきます。
そんなAIBOの特徴を受け、空山基がデザインする際に重視したのは、〈分かりやすいコミュニュケーション〉でした。
関節や骨の動きなどを目に見えるようにし、黒く覆われた両目の光によって喜びや悲しみを表現しています。左右に大きく垂れ下がった、ビーグル犬を思い起こさせる愛らしいデザインは、多くの人に受け入れられました。
空山が描いたAIBOデザイン画。
空山基が機能面とデザイン面を両立させ出来上がった初代AIBOは、現在の私たちにはどこかレトロなデザインとして映り、イラストレーションとまた異なる空山の一面を見られる作品です。
3.空山基の作品を購入する方法
半世紀以上も第一線で活躍し続ける空山基の作品は、現代アート市場においても注目を浴び続けています。
そんな空山基の作品を購入したいと考える方もいるのではないでしょうか。
彼の作品は現在、ネットで購入することができますが、何を利用すれば良いのか迷いますよね。
空山基の作品を購入したい方はもちろん、値段を知りたい方や、他の現代アート作品にも興味を持った方におススメしたいサイトがこちら、Artisという販売サービスです。
Artisでは、アート売買を通して日本と世界を繋げて活性化することを掲げており、絵画・ポスター・トイ・彫刻など様々なアート作品を取り扱っています。
空山基の作品は、イラストレーションだけでなく彫刻やファッショングッズ・キーチェーンなど多彩に展開しているため、Artisではそれらを網羅していることが便利です。
4.空山基の作品を見る方法
世界中で評価されながらも、東京を拠点にしているアーティスト・空山基。
同じ日本に住んでいるし、せっかくなら実物を観てみたい!と思いますよね。
空山基は東京・渋谷区に位置するギャラリー・「NANZUKA(ナンヅカ)」に所属しており、定期的に個展を開催しています。
現在は残念ながら日本で観られる機会はありませんが、2020年には、個展『SEX MATTER』 と『TREX』が同時開催されました。
『SEX MATTER』は「NANZUKA」で展開され、「セクシーロボット」を代表に、男性と女性が存在して交わることによって生命が誕生することなど、”性”について描き出した展示でした。
いっぽう、渋谷Parco内にある「NANZUKA 2G」において開催された『TREX』は新作・恐竜ロボットシリーズ”を打ち出した、ティラノサウルス・ステゴサウルス、ラプトルなどの躍動感ある生命の表現が魅力の展示となりました。
どちらの展示でも彫刻作品・イラスト作品を発表しており、空山基の精力的な活動がうかがえます。
翌年、2021年に『TREX』で見せた”恐竜ロボットシリーズ”の主題を展開したのが、「NANZUKA 2G」で開催された『Dinosauria』です。2022年現在、一番最新の展示はこの『Dinosauria』になります。
空山基は、恐竜について「子供のころのアイドルだ」と形容しており、今ではもう観ることのできない恐竜たちへの憧憬やロマンが表れている作品群が展開されました。
NANZUKAのロゴマークは空山が手掛けたもので、ギャラリーは入場無料です。
SNSでも情報が更新されているので、定期的にチェックしてみると良いかもしれません。
【空山基 Instagram】Hajime Sorayama(@hajimesorayamaofficial)
【NANZUKA Instagram】NANZUKA UNDERGROUND(@nanzukaunderground)
5.まとめ
斬新な視点で機械と女性の持つ美しさに斬り込み、今もなお活躍し続ける空山基。
長年描かれている代表シリーズ「セクシーロボット」は、唯一無二の魅力を放っています。
また、世界に通じる代表作は、空山基が自身のフェチズムを突き詰め、数多くのイラストレーションを手がけてきたことから生まれたということも紹介しました。
さまざまなクリエイションが生まれる都市・東京において大きな存在感を放つアーティストだということが、近年の展示歴からも分かりましたね。
マルチに才能を発揮し、ファッション業界にも大きな影響を与え続ける空山基のこれからの作品が楽しみです。